2020 Fiscal Year Annual Research Report
An International and Interdisciplinary Study of 'Anti-Psychology' in British Modernism
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18H00653
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
遠藤 不比人 成蹊大学, 文学部, 教授 (30248992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 邦生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00459306)
中井 亜佐子 一橋大学, 大学院言語社会研究科, 教授 (10246001)
田尻 芳樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20251746)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 反心理学 / 情動 / 表象不能性 / マニフェスト / 歴史記述 / Virginia Woolf / Kazuo Ishiguro / 学際性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はパンデミックのために予定していた対面による国際会議の開催を断念して、代替策として複数のオンラインでのワークショップを実施して国内外の研究者との学術的交流を維持することに努めた。しかし、当初計画していた規模には達することはできなかった。 遠藤は、共同研究の遂行のため統括的な役割を演じながら、当該分野である「反心理学」について、その否定性あるいは表象不能性という観点から考察し、特に「情動」の歴史的かつ政治的意義について議論を試みた。具体的な研究対象は、Paul de Man, Oscar Wilde, Raymond Williams, Virginia Woolf, Melanie Kleinなどである。 田尻は、当該テーマであるモダニズムにおける反心理学の系譜を、現代のKazuo Ishiguroにまで接続しながら、彼の作品における「日本」という要素について探究をし、研究成果を共編著として出版した。また、当該主題を三島由紀夫にまで拡大して、本研究の学際性を高めることを試みた。 中井(分担者)は、当該分野を、モダニズム文学におけるヒストリオグラフィとマニフェスト性おいて再解釈しながら、Joseph Conrad, Virginia Woolf, C. L. R. James のテクストを中心に研究し、単著として出版した。この研究は、当該分野のラディカルな政治的可能性について特に注目をしたものである。 秦は、田尻と協力して、Kazuo Ishiguroについての研究書を共編し、Ishiguroにおける「自己欺瞞」の語りが、Marcel Proustと黒澤明からの影響を混淆したところに成立していることを論証した。また、これと並行して日本語によるワークショップを1回、英語によるセミナーを2回などをオンラインで開催することに尽力をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全世界的なパンデミックの影響を受けて、当初予定していた国際会議の実施を断念し、その代替策として複数のオンラインによるワークショップを実施しながら、国内外の研究者と議論を重ねた。具体的には、本研究の研究課題を、批評理論の可能性と不可能性という観点から考察したワークショップ「文学批評の再検討――ポストクリティークあるいは批評の再興?」"Reconsidering Literary Criticism: Postcritique or the Revival of Criticism?" を、2020年7月26日(日)午後1時から4時に、Zoomを使用して開催した。また本研究のメンバーは、Modernist Studies in Asia (MSIA) のメンバーでもあり、その一つの活動として、Tokyo Modernism Research Seminarを主催しているが、その初回として“Femininity, Masculinity, and Psychoanalysis”を、2021年1月9日(土)午後2時~4時にZoomを使用して開催した。第2回目として“The Politics/Poetics of Inheritance and Commemoration: Joseph Conrad and Ezra Pound”を、2021年3月30日(火)午後2時から4時まで実施した。いずれも英語を使用言語とし、外国人研究者を招聘したものである。出版の成果として特筆すべきは、田尻芳樹・秦邦生編『カズオ・イシグロと日本 幽霊から戦争責任まで』水声社、2020年10月、317頁、および、中井亜佐子『〈わたしたち〉の到来――英語圏モダニズムにおける歴史叙述とマニフェスト』月曜社、2020年(6月)、299頁を挙げておく。
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Strategy for Future Research Activity |
この年度の段階で、パンデミックの終息は期待することは難しく、翌年度についても今年度と同様にオンラインによるワークショップの開催などを予定している。
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Research Products
(9 results)