2020 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural contacts between Russia and the Caucasus : Dynamism of Mutual Transformation
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18H00655
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楯岡 求美 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (60324894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 唯史 京都大学, 文学研究科, 教授 (20250962)
Grecko Valerij 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (50437456)
伊藤 順二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80381705)
佐藤 千登勢 法政大学, 国際文化学部, 教授 (90298109)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コーカサス / ロシア / ソ連 / ウクライナ / 複数言語性 / 異化 / マヤコフスキー / ジョージア |
Outline of Annual Research Achievements |
R1年度1月に始まった新型コロナ感染拡大により、調査地への入国が出来なくなり、研究の遂行が大変困難になった。R2年度は国内移動・資料調査も難しく、各自の研究準備期間とした。R3年度も事態はあまり変わらず、部分的に出入国が認められた地域もあったが、所属者以外の入構を禁じる研究機関、図書館やアーカイヴ等の機関の外部研究者受け入れについて再開目途が立たず、現地調査が出来なかった。そのため、従来から日本では主として「ロシア作品」として紹介されてきたロシア革命前後の作品でコーカサスに関連するものとして未来派詩人マヤコフスキーの著作を再検討することにした。マヤコフスキーはロシア系であるがジョージアのクタイシ近郊出身であり、ジョージア語・ロシア語のバイリンガルだった点はこれまであまり注目されてこなかった。20世紀初頭のロシアではマヤコフスキーを含め多くの詩人が日常的言語と異なる詩的言語の可能性について実験的創作を展開したが、その背景として複数言語の並列という現実があることへの考察を行った。R1年度のトビリシ調査で発見した各地の未来派詩人が参集した雑誌でもロシア語とジョージア語がそのまま記載されていたが、改めてマヤコフスキーの自伝的詩作『私自身』などにもジョージアでの子供時代の記憶が無意識のうちの異化効果体験として鮮明に記憶されていることが示されていた。このようにロシア語で書かれたロシア・ソ連の中央文化の潜在的多文化性について、一般聴衆を交え、劇団地点の協力を得て2022年2月にリーディング公演『私自身/これについて』(解説付き)を実施、意見交換を行った。 2022年2月に起きたロシア軍によるウクライナ侵攻は研究状況を激変させ、本研究への関わり方自体を見直すことを余儀なくされ、コーカサスの状況と比較するために視野を広げ、ウクライナを含めた多文化性についての研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大による(郵便を含む)世界的な移動の停止やロシア軍によるウクライナ侵攻という政治情勢の激変により、当初の現地調査が一切かなわず、随時研究計画を変更する必要に迫られて対応が大変困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
海外の研究パートナーとの連絡再会に努め、情報交換と協力を密にすることで研究を進めていきたい。
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Research Products
(4 results)