2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural contacts between Russia and the Caucasus : Dynamism of Mutual Transformation
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18H00655
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楯岡 求美 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (60324894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 唯史 京都大学, 文学研究科, 教授 (20250962)
Grecko Valerij 東京大学, 教養学部, 特任准教授 (50437456)
伊藤 順二 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80381705)
佐藤 千登勢 法政大学, 国際文化学部, 教授 (90298109)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コーカサス / ソ連文化 / ジョージア映画 / アヴァンギャルド / 複数言語性 / 異化 / パラジャーノフ / コバヒゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナの感染拡大が収束せず、現地の研究調査が困難だったため、繰り越しを行ったが、2022年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻を受けて、研究環境が著しく変わった。R4年度当初は外国人研究者招聘プログラムで来日したクリスチアン・フェイゲルソン教授とソ連文化を収容所や恐怖のコントロールという観点から見直す共同研究を行った。 ジョージアは早くからソ連史を被占領期と考える歴史観を打ち出したが、このような視点がロシア軍による侵攻を受け、諸民族共和国において共有される傾向にある。コーカサス諸地域とウクライナとの比較研究の必要性が生まれ、部分的にウクライナに関する情報を収集した。今後、ソ連文化と民族文化がより対立的に語られる構図が想定される。 年度末に本研究の成果をまとめる機会として、研究協力者のコルネリヤ・イチン教授(ベオグラード大学)を招へいし、複数の国際研究会を行った。特に20年代のセルビアにおいてはロシア亡命者を多く受け入れたことによって前衛芸術が革命ソ連的なものとして政治的に忌避されたこと、それにもかかわらず芸術的価値を認めた文化人たちが精力的に雑誌を刊行し、欧米ソ連の芸術家たちの活動の場を提供していたことや、文学史上は無名の活動家が媒介となって出身地の異なる芸術家たちをつなぎ、彼らが共同で創作を行う場が確保されたことなど、地域の活動を丁寧に追うことで、芸術諸運動に新たな意味づけが出来ることも明らかになった。また、ジョージア短編映画祭を行い、一般聴衆にソ連の映画文化の民族的多様性、複数言語性および実験的表現に意欲的な創作活動を示すことが出来た。 アルメニアのガヤネ・シャゴヤン研究員(アルメニア科学アカデミー文化人類学研究所)からパラジャーノフに限らずアヴァンギャルド創作家が伝統的民族文化を抽象表現の中で逆説的に活用しているという指摘も受けた。今後の研究につなげていきたい。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)