2018 Fiscal Year Annual Research Report
Documentation of endangered languages in Munda
Project/Area Number |
18H00672
|
Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
長田 俊樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 名誉教授 (50260055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Badenoch Nathan 京都大学, 国際戦略本部, 特定准教授 (50599884) [Withdrawn]
小林 正人 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (90337410)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ムンダ諸語 / 危機言語 / アスル語 / ビルホル語 / コルワ語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はムンダ諸語における危機言語のドキュメンテーションを目指すものである。危機言語は具体的にはアスル語、ビルホル語、コルワ語の三言語である。いずれも、話者人口は少なく、危機的状況にある。 まず、4月から5月かけてのゴールデンウィークを利用して、本科研による調査打ち合わせのため、長田がインド工科大学ガンディーナガル校とラーンチー大学に出張し、今後の研究調査の日程などを話し合った。8月にはラーンチーに行き、アスル語の調査をおこなった。具体的には、アスル語の基礎語彙調査を東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所が作成した語彙調査票を使用して、主に二名の方から聞き取った。 また、フィールド調査の後には、マイソールにあるインド中央言語研究所に行き、危機言語調査の現状を副所長などを話し合った。12月には、そのインド中央言語研究所で開催された、インド言語学会に参加し、成果報告として学会発表をおこなった。 2月には、今度はビルホル語の調査をおこなうために、再びラーンチーに行き、フィールド調査を現地の共同研究員のムルム博士、ジョラ博士とともにおこなった。 一方、研究分担者の小林は2月から3月にかけて、コルワ語のフィールド調査をおこなった。コルワ語の基礎語彙調査とコルワ語の民話採取をおこなった。 なお、当初、研究分担者として、バデノック京大准教授が1月に調査をおこなう予定であったが、北米拠点に異動した後、調査の許可がありなかったため、科研費を繰り越すこととなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長田が全部で4回、インドでの調査をおこなうことができ、長田担当にアスル語とビルホル語のフィールド調査をおこなうことができた。また、分担者の小林もコルワ語調査が順調に行うことができた。 ただし、当初予定していた、バデノック准教授のフィールド調査への参加がおこなわれなかったため、若干の遅れが心配されたが、現地の共同研究員であるムルムー博士、ジョラ博士の協力によって、バデノックがおこなうべく調査をカバーすることができたため、おおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究は4年計画である。初年度と次年度を終えた時点で、新型コロナウィルスの問題が浮上してきたため、今後、インドでのフィールド調査ができるかどうかが、わからない状況にある。しかし、すでに基礎語彙調査はある程度終えているため、それらを成果として発表していこうと考えている。また、調査ができない分、これまでの研究成果をまとめて、出版することも考えている。コロナウィルスという予測不可能な要因があるため、今後の研究推進方策が立てにくいが、できるかぎり、危機言語のドキュメンテーションができるような形で、研究を進めていきたいと考えている。
|