2020 Fiscal Year Annual Research Report
Documentation of endangered languages in Munda
Project/Area Number |
18H00672
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
長田 俊樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 名誉教授 (50260055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正人 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (90337410)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 危機言語 / ムンダ語族 / コルワ語 / アスル語 / ビルホル語 / ジャールカンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研では、インドに分布するインド・アーリア語族、ドラヴィダ語族、ムンダ語族、チベット・ビルマ語族のなかでは一番調査研究が遅れているムンダ語族に焦点を当て、危機言語のドキュメンテーションをめざす。対象とする言語は、コルワ語(話者約2万8千人)と、いずれも話者8千人以下のアスル語とビルホル語の三言語である。具体的には、語彙調査などを通して、音声音韻表記をおこなうとともに、民話などを採集する。 本研究の学術的独創性は、危機言語のドキュメンテーションを、同じケルワル諸語の母語話者研究者とともにおこなう点にある。ムンダ語を母語とするビクラム・ジョラ、およびグンジャル・ムンダ、そしてサンタル語を母語とするガネーシュ・ムルムである。このうち、ジョラ博士とムルム博士の二人は、アメリカにある危機言語研究を専門とするLiving Tongue Instituteの南アジアのコーディネーターを務めており、彼らとともに、これら危機言語のドキュメンテーションをめざす。 ご存じのように、コロナ禍にあって、研究代表者である長田と研究分担者である小林の現地調査はおこなえない中、ジョラ博士によるビルホル語の調査とムンダ氏によるアスル語の調査がコロナの合間におこなわれた。しかしながら、ドキュメンテーションのためには長田と小林の現地調査が必要である。そのため、本来2021年度が終了年度であるが、もう一年、本科研を延長する。パンデミックの状況にもよるが、長田や小林による現地調査がおこなえることを期待している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ご承知のように、コロナのパンデミックにより、2020年3月にインドに行って以来、研究代表者の長田も研究分担者の小林も現地調査ができていない状況である。また、現地の研究協力者も、コロナ感染症によるロックダウンなどがあり、自由に調査ができていない。本来ならば、2021年度にはインドの研究協力者を日本に呼んで、それぞれの研究発表をおこなっていただく予定であった。しかし、日本からインドへの渡航だけでなく、インドから日本への渡航も制限されたままである。そのため、本科研の当初目的を達するには程遠い状況である。2022年度になり、コロナ感染状況も徐々に改善しつつある。科研終了を一年遅らせて、2022年度には調査がおこなえるのではないかと期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は本来ならば2021年度で終了する予定であった。しかし、コロナのパンデミック状況によって、現地調査ができないでいる。ドキュメンテーションは現地での調査があって初めて成立するものなので、本年度の調査ができることを期待して、一年間、本研究を延長している。万が一、調査が実行されないときは、これまでの成果をまとめることに全力を挙げたい。
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[Book] 夏季言語研修ムンダ語教本2022
Author(s)
長田俊樹、Madhu Purti
Total Pages
173
Publisher
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
ISBN
978-4-86337-370-9