2018 Fiscal Year Annual Research Report
Historical study on the critical discourse on CEFR
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18H00688
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 教行 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30313498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 充 京都大学, 人間・環境学研究科, 名誉教授 (60129947)
Szirmai Monika 広島国際大学, 医療経営学部, 教授 (20275986)
クラウゼ小野 マルギット 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 教授 (70400059)
大山 万容 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (40773685)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | CEFR / 言説分析 / 外国語教育 / 学説史研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は『ヨーロッパ言語共通参照枠』(CEFR)に関わる批判的言説の学説史的考察をめざす。CEFRとは欧州評議会が2001年に公開した外国語教育の教育・学習・評価に関する教育資材であり,日本でも2004年に翻訳が刊行され好意的に受容されてきた。しかしヨーロッパではCEFRそのものに対する言語教育学からの建設的な批判が投じられている。 本研究は欧州におけるCEFRの批判的言説を学説史の中から検証し,その妥当性を精査し,日本社会へ向けたCEFRの批判的受容を目指す。そのために以下の事項を検討し,解明する。 1.ドイツ語圏,フランス語圏,英語圏の批判的言説を学説史の観点から網羅的に調査する。 2.批判的言説とCEFR増補版の対照を行い,その対応を検証する。 3.CEFR公開20周年の国際研究集会を開催し,CEFRの批判的受容を討議する。 このような課題の実施にあたり,2019年3月2,3日に国際研究集会「CEFRの理念と現実」を,また2019年3月9日には国際研究集会「多言語化する学校とバイリンガリズム-フランス・カナダ・日本」を開催し,フランス,カナダ,ニューカレドニアより研究者を招へいし,討議を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの拡大にともない,2020年3月に予定していた国際研究集会を実施することができなかった。この国際研究集会は国内外の研究者の参加を確約し,プログラムも確定していたものの,直前に取りやめとなった。そのため,CEFR以降の言語教育学の進展を見据えた研究討議を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの終息状況をにらみながら,2020年度後半に国際研究集会を開催する予定である。2020年に予定されていたカナダ,イタリア,デンマークなど国内外の研究者との研究交流を進め,CEFRのインパクトや解釈などに関して批判的考察を深める予定である。また2019年に実施した国際研究集会の成果を書籍として刊行すべく翻訳,編集作業を進める。すで大方の論文の翻訳は完了しているが,日本の読者の理解をすすめるための訳注などの編集作業が残っているため,これを今年度前半までに終えて,今年度内の刊行を目指す。
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