2018 Fiscal Year Annual Research Report
音声認識とビデオ撮影による自己省察を基礎としたICT支援複言語学習モデルの研究
Project/Area Number |
18H00691
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩居 弘樹 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (20213267)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 朋子 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (80388701)
大山 牧子 大阪大学, 全学教育推進機構, 助教 (70748730)
田川 千尋 大阪大学, 高等教育・入試研究開発センター, 特任講師 (10599434)
李 銀淑 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 特任講師 (60817485)
清原 文代 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (90305607)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 複言語学習 / ICT / 音声認識 / ビデオ撮影 / リフレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,「医療看護・教員養成など高度専門職養成機関を対象とした複言語学習モデル構築」のための第一段階として、医療系大学の1年生91名を対象に、ドイツ語、インドネシア語、韓国語の3言語を1セメスター15回で学習するプログラムを実施した。この実践を通して、ビデオ、音声認識、語彙学習などのアプリを活用しながら、口頭で簡単な挨拶、自己紹介などを行えるレベルに到達することが実証できた。実践中に行ったアンケートや学習日誌から、この手法が基本的に想定どおりに動いていることが確認できた。また、学習内容を毎回ビデオに記録すること、学習成果をビデオ撮影し振り返りをすることなどが、モティベーション維持、達成感、表現の定着に効果的であることも明らかになった。 「初等中等教育での多言語多文化理解に貢献できる外国語学習モデルの実践」として岡山県の小学校6年生14人に向けての複言語プログラムを実施した.この取り組みでは,Web会議システムを活用してオンラインで授業を実施し,合計7言語の学習にチャレンジした.ビデオ撮影による記録を目標に失敗を繰り返しながら練習できる学習環境、お互いに失敗を認め、指摘できる雰囲気が重要であることが認識された.またこの実践を通して,教師のためのワークショップを実施する足がかりを作ることができた. 「音声の可視化」による発音学習支援モデルについては,通常のドイツ語クラスを中心に実践を行なった.韓国語については,文字学習を行わないという方向で授業を実施している.音声の表記方法は,カタカナとアルファベットを組み合わせ,特に子音の発音を意識させるという方向で授業を行なった. 非同期型ビデオ交流はドイツBochum大学の日本語クラスと大阪大学のドイツ語初級クラスの間で実験を行なった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
看護系大学での実践は170名を超える履修希望者があり,関心の高さをうかがうことができた.また多くの肯定的な意見感想を集めることができ,2年目は実験対象を2クラスに拡大することができた. 当初2年目に行う予定であった小学校での実践を初年度に実施することができた。この実践を通して2年目は小学校3校を対象とした実験授業を行い,多様な手法を試みることが可能になった. このように,当初検討していた複言語学習フレームワークの基本をほぼ1年目で固めることができた点から,予想以上の進捗状況であると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
医療看護系大学での複言語学習に関する2年目の課題は,短時間の講習の中にどの程度「病院に特化した表現」を組み込むことができるかという点である.1年目では,1言語5回程度の学習でも,ビデオ撮影を活用して基本的な表現の定着が可能であることが明らかになった.5回の授業でどの程度までタスクを増やすことができるか,表現の定着が可能かを明らかにする. 授業内での学習成果記録としてのビデオ撮影だけでなく,授業外学習(復習)としてのビデオ撮影を次の授業前に行うというタスクを加える実験を行う.学習者のモティベーションをある程度高めないとこのような授業外学習を実現することは難しいと考えられる.1言語5回の学習をローテーションすることがモティベーションの維持という点に関しても効果があるかどうか検証する. 「初等中等教育での多言語多文化理解に貢献できる外国語学習モデルの実践」については,小学校3校で実験することを考えている.これに加えて,教員向けの複言語学習ワークショップを行い,教員からの意見を聴取しながら,初等教育での複言語学習クラス運営の可能性をさぐる.
|
Research Products
(23 results)