2020 Fiscal Year Annual Research Report
Empirical Study on Postwar Overseas Chinese Society of Japan in the Early Cold War Era: Reconstruction of East Asian Order
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18H00703
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
陳 來幸 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (00227357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 貴子 近畿大学, 文芸学部, 教授 (00411653)
貴志 俊彦 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (10259567)
荒川 雪 (王雪萍) 東洋大学, 社会学部, 教授 (10439234)
籠谷 直人 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70185734)
宮原 曉 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (70294171)
北村 由美 京都大学, 附属図書館, 准教授 (70335214)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 華僑華人 / 冷戦 / 東アジア / インドネシア / フィリピン / ベトナム / 在日台湾人 / 国共対立 |
Outline of Annual Research Achievements |
三年目の2020年度も、繰越した2021・22年度も、台湾での資料調査を除き、海外調査はほぼ実施できなかった。その代わりに、神戸華僑華人研究会との合同開催方式によってオンライン研究会を開催し、国内外で知見の共有とディスカッションの深化が進んだ。 前年度に引き続き、2020年度には、第184回例会(8月29日)では「大阪華僑」をテーマに2名が、184回例会(9月19日)は「フィリピン華僑」をテーマに2名が、第187回例会(12月20日)には学振特別研究員奨励費を合わせ、三者共催で国際移動をテーマとする研究会を、第188回例会(2021年2月6日)には「インドネシア華僑社会」をテーマに2名が報告を行った。2021年度には第192回例会(8月21日)で2名、第194回例会(2022年1月22日)には本科研が外部から講演者一人を招へいし、冷戦期香港に関する講演を行った。第195回例会(3月26日)で、戦後ベトナム華僑と日本華僑社会に関し2名が報告を行った。 そのほか、2021年2月20に「「亡国の越境者」の100年:ネットワークが紡ぐユーラシア」の合評会を共催し、2022年3月5日には海外移住と文化の交流センターホールにて監督を招へいし、特別企画(共催)「『華のスミカ』の監督を迎えての自主上映会」を実施し、2022年4月16日には当初予定(ワークショップ)に代えて、帰国フィリピン華僑研究者である外部講師を招へいし、「「華僑」と私、そしてアイデンティティ」をオンライン記念講演会形式で実施した。共同企画研究会(2021年6月26日)「在日ベトナム人社会における『華人』へのまなざし」の開催も本科研メンバーへの大きな刺激となった。 また、大阪グループの成果として神戸華僑歴史博物館と共同で『張友深関係文書:近代大阪華僑史料集』を成果物として刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受け、研究の中盤から後半期にさしかかったこの時期(2020-2022)に二度の繰り越し申請を行ったが、予定していた海外調査がほとんど実施できずに、一部の地域とテーマの探求を断念せざるを得なくなった。朝鮮半島華僑社会に関わる僑郷調査の展開、客家・金門ネットワークに関する僑郷調査と分析の中断はやむを得ないと判断した。 その代わりにオンライン方式を駆使した研究会を、申請者が世話人代表、分担者の半数・協力者の大半が会員となっている神戸華僑華人研究会の例会との共催で実施し、できうる限り相互にディスカッションができる場を設け、最終年度の成果物にと結実させて行く方向性を定めた。日本華僑関連資料は十分集積できているので、大阪華僑に関する資料集の刊行とともに、最終成果としての論文集の公刊で反映されている。 台湾での資料調査の補充を台湾在住の協力者に出張依頼し、長期来日中の、冷戦期香港に詳しい研究者を招へいして研究会での報告を依頼するなどの代替策をとり、必要な情報と知見の共有を進めた。 一方、朝鮮半島華僑社会に関連する調査の断念に加え、3年度目に予定した①さらなるフィリピン調査、②香港・広東省の客家地域への訪問調査、③インドネシアでの資料調査も思い通り実現できなかったが、共催の合同研究会交流の活性化により、ベトナム人研究者グループとの合同研究会の開催、前半期の海外档案館調査で入手したベトナム華僑ファイルの分析も進んだので、ベトナム調査は当初予想以上の成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍による一部海外調査の断念により、研究前半期に収集できた資料と調査結果を基礎に、さらなる資料収集を可能な限り進めるとともに、これらを丹念に分析するよう各分担者と協力者に依頼し、2022年度の年度末完成を目指して『冷戦アジアと華僑華人』と題する成果物の出版を目標とした。同時進行の当初四年目(2021-22年度繰越)計画と並行する形となったが、2021年11月頃から出版社への出版計画の持ち込み、企画立案を進め、2022年6月めどに論考(初稿)を集めることとした。最終年度の最終段階(繰越年度の夏頃)には、コロナ禍の様子をみながら持ち寄った論考について討論会を持ち、2023年3月には出版へとの予定を立てた。
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Research Products
(54 results)