2018 Fiscal Year Annual Research Report
村落档案史料を用いた近現代中国華北農村社会史像の再構成
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18H00721
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90269572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
林 幸司 成城大学, 経済学部, 准教授 (30612775)
祁 建民 長崎県立大学, 国際社会学部, 教授 (70448819)
古泉 達矢 金沢大学, 法学系, 准教授 (90724831)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 村落档案史料 / 中国現代史 / 毛沢東時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の平成30年度の実績は、次のとおりである。 1.研究打ち合わせ会議(2018.5.6)を開催し、まず研究計画全体の説明をし、次いで30年度の史料収集、農村訪問、補充調査の日程を調整し、確定した。2.華北農村社会史および山西省の村落档案史料の比較・相対化のために8月後半に東北農村を訪問し、聞き取り調査を実施した。また、調査の過程で村落档案同様に地方文書の中の一つである「家普」を入手した。3.9月中旬に2週間ほどの日程で、研究代表者、研究分担者、研究協力者が協力して華北農村訪問調査を実施し、大きな成果を得た。まず海外研究協力者である南開大学の研究者がやはり村落档案史料を使って分析したH村を参観した。また、南開大学中国社会史研究中心華北文書研究室編の『X村档案目録』を入手した。さらに訪問先の一つであったD村(DB村とは別のD村)にも村落档案史料が残されていることがわかり、今後、この村落档案史料へのアクセスを試みたい。なお、農村調査の成果は、東京学芸大学紀要に発表予定である。4.10月に研究代表者が華東師範大学当代(現代)史研究中心を訪問し、村落档案史料の一つである山西省W村人民公社史料を閲覧・収集した。また研究分担者は華中師範大学中国農村研究院を訪問して村落档案史料を閲覧するとともに、華北農村の相対化の一環として湖南省農村を参観した。5.2019年1月、再度、研究代表者が華東師範大学当代(現代)史研究中心を訪問し、村落档案史料の一つである山西省W村人民公社史料を閲覧・収集した。6.研究代表者が、山西省DB村の村落档案史料を利用した研究論文2編及び関連論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
山西省D村の村落档案史料を分析し使用した成果である論考2編を発表したことに加えて、山西省のDB村以外の村落档案史料を発見して、一部分ではあるがそれを閲覧・分析を開始できたことは非常に大きな成果であった。また、山西省以外の地域の村落档案史料にアクセスすることが可能であることが、新たにわかり、今後の研究の展開に非常に有利な条件として得ることができたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きD村の]村落档案史料の収集・分析を主として行うとともに、補充調査を適宜進めていく。また、新たにその存在が明らかになった村落答案史料に関するアクセスを図り、閲覧・収集にこぎ着けるべくはたらきかける。そして海外研究協力者との情報交換を通じて、さらなる村落档案史料へのアクセスを試みたい。
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Research Products
(20 results)