2019 Fiscal Year Annual Research Report
村落档案史料を用いた近現代中国華北農村社会史像の再構成
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18H00721
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (90269572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 雅生 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (30151905)
林 幸司 成城大学, 経済学部, 教授 (30612775)
祁 建民 長崎県立大学, 国際社会学部, 教授 (70448819)
古泉 達矢 金沢大学, 法学系, 准教授 (90724831)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 村落档案史料 / 民間所蔵史資料 / 華北農村社会 / 山西 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.2019年4月27日、打ち合わせ会議を開催し、まず研究計画全体の説明をし、次に2019年度の史料収集活動、農村訪問計画、補充調査の日程を確定した。科研グループ全体としては収集した史資料の整理・分析を進めるとともに、さらなる村落档案史料、民間所蔵史資料の発掘・収集、聞き取り調査を実施するために9月に山西省を訪問する計画を立案した。また山西省の事例の相対化のために10月に湖南省農村を訪問・調査することにした。 2.打ち合わせ会議以降、9月訪問調査、10月訪問調査までに収集済の史資料を整理・分析した。そして9月調査(9月1日~12日)には分担研究者が参加し(代表者は校務のため不参加)、聞き取り調査を実施し、J県D村では公開されている村落档案史料を閲覧した。 3.10月4日~10日にかけて、研究協力関係にある華中師範大学のK氏の案内で湖南省Y市郊外のH村を訪問し、聞き取り調査を行った。聞き取り調査の際に民間所蔵史量である『彭氏族譜』『金岩胡氏通譜』を閲覧する機会を得た。 4湖南農村訪問調査の帰途、武漢の華中師範大学中国農村研究院にて同院所蔵の村落档案史料を閲覧し、これまで収集・整理・分析を進めている山西省D村村落档案史料や華東師範大学現代中国との比較・検討を行った。 5. 2020年3月、研究代表者が華東師範大学当代(現代)史研究中心(センター)を再訪問して村落档案史料を収集する予定であった。しかし、同センターが突然閲覧休止となり、予算を執行することができなくなったため、予算を繰り越した。そしてコロナウィルスの蔓延・拡大のため、中国への渡航そのものが不可能となったため、この予算を史料購入に充てた。1949年以前と以後の華北農村の社会基盤の連続性を検討するために、第二次大戦前の日本人による農村社会調査記録の購入に充てた。 6.これまでに行ってきた農村訪問調査の記録を整理して雑誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度は華東師範大学現代中国研究センターを訪問する事ができなかったが、同センターすでに過去2回訪問しており、山西農村関係の村落档案史料はほぼ収集を終えている。2019年度の訪問は補充的位置づけであったため、研究全体の進捗状況に関して大きな影響を及ぼすことはない。2回の訪問調査、華中師範大学所蔵史資料へのアクセス、収集が実施できたため、大きな進展があったといえるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウィルス蔓延のため、中国への入国はほぼできないため、農村を訪問して補充的調査を実行することは難しい。しかし、主要史資料であるなD村落档案史料や華東師範大学現代中国研究センター所蔵史料はほぼ収集済であることから、これらの村落档案史料に力を注ぐ。また、引き続き中国農村社会の連続性を意識し、戦前期の農村社会調査を収集して、分析を進めていく。
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Research Products
(9 results)