2019 Fiscal Year Annual Research Report
A New Approach to the Classificatory Order of Bureaucracy and Its Changes During Tang and Song Dynasty by Analyzing the System of Carriages and Clothing
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18H00725
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
阿部 幸信 中央大学, 文学部, 教授 (60346731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 聡 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40234819)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 車駕 / 衣服 / 唐宋 / 官僚制 / 礼制 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年7月31日から8月4日にかけて、宿州博物館・淮南市博物館・寿県博物館・安徽博物院・三国新城遺址文物展示館等において、漢代から宋代にかけての膨大な数の遺物を実見した。また、江蘇師範大学関係者の協力により、外部非公開の後漢末画像石墓である九女墳での調査および撮影を行うことができた。九女墳じたいは本研究課題が直接対象とする時代から外れるが、先行する魏晋南北朝時代の車服(やその描写)について理解を深めるうえでの手がかりを得ることができた。また、同行した華東師範大学の朱滸副教授からは、隋唐期の図像資料に関する多くの知見の提供を受けた。 同年8月24日から29日にかけて、遼寧省博物館・朝陽北塔博物館・朝陽市博物館・遼陽市博物館・漢魏壁画展示館(遼陽)など遼寧省各地で多数の関連遺物・遺跡を実験し、北京に移動後、31日には国家博物館において河北省臨ショウ[さんずい+章]県(ギョウ[業+おおざと]城遺址)の北朝~唐代文物の特別展示を参観した。この調査によってキタイの文物や制度に対する理解を深めたことで、唐・宋だけでなく遼についても検討の対象に加えるべきだとの認識に達した。 以上の経緯から、同年秋からは当初の研究計画になかった『遼書』『契丹国志』にも範囲を広げて精査を行い、得られた知見を報告すべく、欧米の2つの学会に報告要旨を提出して審査に通過し、2020年度内に報告する権利を得た。が、いずれも新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて延期された末、2021年になって開催中止が決まったため、2022年3月までには成果を公表するに至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年末以降、新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴い、研究計画の大幅な変更を迫られた。当初2020年2月に予定していた河西における現地調査は延期を繰り返し、2022年3月末の時点でもまだ実現できていない。代替手段として情報源を出版物に移しているが、本研究課題の趣旨の1つが写真版と遺物現物の照合にあったため、この方法によって当面の障碍を完全に克服できているとは言いがたい。一方、「研究実績の概要」欄にも記載したとおり、文献については計画段階よりも範囲を広げて検討することができており、その点においては順調に進行していると言うことができる。 全体を総合的にみて、申請時に構想していた計画としては遅れているものの、予想外の方面において進展があったことから、「やや遅れている」と評価するのが妥当と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
再繰越期間が終わった2022年春の段階においても、中国での現地調査が困難な状況は変わっていない。また、申請時に記載していた国外開催の国際学会における成果公表や国外大学との共同シンポジウム開催も、オンライン会議を活用しうるとはいえ、もともと想定していたような形で行える状況にはない。したがって、当初計画に固執せず、文献や写真版に基づいて可能な範囲内で成果をまとめるとともに、出版物をとおした報告に重点をおいて進めることにしたい。
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Research Products
(1 results)