2020 Fiscal Year Annual Research Report
A New Approach to the Classificatory Order of Bureaucracy and Its Changes During Tang and Song Dynasty by Analyzing the System of Carriages and Clothing
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18H00725
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
阿部 幸信 中央大学, 文学部, 教授 (60346731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 聡 埼玉大学, 教育学部, 教授 (40234819)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 車駕 / 衣服 / 唐宋 / 官僚制 / 礼制 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度にはすべての現地調査が中止となり、繰越期間・再繰越期間にも実現をみなかったため、文献史料の整理と図録本を通しての図像史料の検討が中心となった。ただし前者はそれ単独では成り立たず、後者も本研究課題の趣旨に照らして限界がある。当初は新型コロナウイルス感染症の流行収束を待って補足調査を行い、当初の予定どおりに成果をとりまとめる予定であったが、しだいに事態の長期化が予想されるようになったため、2020年度後半以降、代替策を講じることにした。具体的には、本来の計画に沿った作業を継続する一方で、本研究課題開始以前に調査を終えて整理の済んでいる魏晋南北朝~隋唐期の文献史料・図像史料を活用しながら、(本研究課題が宋代の制度との比較検討の対象とする)隋唐時代の制度の形成過程に焦点を当てた研究・成果公表を推し進める、という方針である。その前提のもと、研究代表者の阿部は主に南北朝隋唐期の皇帝璽や公印をはじめとするアクセサリー類の制度について、研究分担者の小林は同時期の朝服・車駕の制度や礼制全般についての検討を深化させた。ただし、本研究課題の本来の趣旨に鑑み、宋代以降の制度に関しても強く意識し、計画に沿った研究が正常に再開できれば直ちに本来の路線に戻せるようにした。 以上の経緯に加え、パンデミック下での業務負担激増の影響もあり、結果として2020年度中には新規の成果を公表することはできなかった。しかし、2021年度以降の研究進展に向けた下準備として、海外の研究機関・研究者との連携は継続して行い、パンデミック収束後の調査再開、あるいは研究者招聘についても協議を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、2020年度に予定していた江蘇・浙江と四川(五代期壁画・遺物)は実施できなかった。出版物を利用して代替しているが、本研究課題の当初の目的が写真版と遺物の照合にあったことから、それが実現できない以上、順調に進行しているとは言いがたい状況にある。ただし文献については、「研究実績の概要」のとおり、申請時の計画の範囲を越えて検討を進めることができた。 成果公表面において、2020年度に浙江大学東亜宗教文化研究中心との共同開催を模索していた唐代図像学国際シンポジウムは、新型コロナウイルス感染症の影響で、計画そのものが立ち消えになった。阿部が報告を行うことが決定していたイェール大学主催のThird Middle Period China Humanities Conference (220-1600) も、主催校の方針により中止となった。これ以外の学会についても流会や延期が相次ぎ、口頭報告のチャンスは得られなかった。誌上での公表も、2020年度には実現しなかった。 全体を総合的にみて、「やや遅れている」と評価するのが妥当と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
再繰越期間が終わった2023年春の段階で、本計画は研究期間を終えているため、研究の推進方策を提示することはできない。
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