2018 Fiscal Year Annual Research Report
「アメリカの覇権的秩序」に代わる戦後世界秩序像の探求:J・F・ダレスを焦点に
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18H00728
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野澤 透 京都大学, 文学研究科, 教授 (90271832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉科 一希 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (00404856)
中嶋 啓雄 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (30294169)
青野 利彦 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (40507993)
三牧 聖子 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (60579019)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ジョン・フォスターダレス / 冷戦 / 国際関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,5年間の共同研究の後に論文集のような形で最終成果を公表することを目指しており,もともと各年度に研究班全体としての成果の公表は予定していない。 本研究課題に関係する昨年度の具体的な成果としては,研究分担者の三牧聖子が論文"Non-Governmental Organizations and Origins of Asia-Pacific Regionalism --The Institute of Pacific Relations (IPR: 1925-1961),"(『アジア太平洋討究』35号,pp.55-70)を発表したほか,同じく研究分担者の中嶋啓雄が,日本国際政治学会2018年研究大会において,研究報告「「西半球」概念と米州機構――モンロー・ドクトリンとの関連において」を行った。 ほかにも,研究班メンバーは,未刊行ながら,すでに学術誌への掲載が決定した論考や論文集への寄稿論文などを抱えているが,これらについては次年度以降の実績として報告するのが適切であろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共同研究のための基礎史料として電子化の上でメンバーで共有することを計画していた,研究代表者の本務校である京都大学が所蔵するジョン・フォスター・ダレス関係文書マイクロフィルム(Correspondence Series of the Speeches Series of the Personal Papers of John Foster Dulles,67reels)の電子化作業は,複数年で行うことを計画していたが,昨年度中に完了し,近くメンバーに配付する。 予定していた研究会は,本年1月に実施し,世界各地の「地域」の創出を検討する場合の課題の洗い出しを開始するとともに,ダレスのみに研究を集中するのではなく,ダレスを各々の時期のアメリカ外交の「窓」と位置づけて活用するとの方針で合意した。 各メンバーは,各々の担当する分野について,史料や文献の収集を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,米国の国立公文書館および米カンザス州のアイゼンハワー大統領文書館における現地史料調査が最大の目標である。メンバー共同での現地史料調査を行うことを目指して予備的な日程調整を行っているが,4月の現時点では全員で日程を合わせるのは難しい状況である。全員では不可能でも,最大限のメンバーで現地調査を共同で行うことは,現地滞在中に史料に関する情報の共有および実質的な研究会を開催するためにも有意義であろう。 上記の現地史料調査の結果を踏まえて,年末頃をめどに研究会を開催する。この研究会では,最終年度に刊行することを目標としている論文集に向けて,各メンバーが各々の担当する分野に関する構想を持ち寄り,それらの摺り合わせを進めながら,論文集全体の方向性について議論を開始する予定である。
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