2018 Fiscal Year Annual Research Report
中近世キリスト教世界における宗教と暴力-対立と和解のポリティクス-
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18H00731
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
甚野 尚志 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90162825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 清美 電気通信大学, 情報理工学域, 教授 (20272750)
小林 繁子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20706288)
武田 和久 明治大学, 政治経済学部, 専任講師 (30631626)
大貫 俊夫 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30708095)
石黒 盛久 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50311030)
黒田 祐我 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (50581823)
櫻井 康人 東北学院大学, 文学部, 教授 (60382652)
皆川 卓 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90456492)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 宗教 / 暴力 / キリスト教 / 十字軍 / 魔女 / 教皇庁 / レコンキスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は中近世のキリスト教世界を対象に、これまで地域やテーマごとに個別的に行われてきた「宗教と暴力」に関する諸問題を総合的に比較考察することにより、「宗教と暴力」に関わる歴史的事象が中近世キリスト教世界の社会構造を規定し、同時に、それが社会変動を引き起こす大きな要因になったことを解明することを目的とする。そのために、本研究では、次の3つの問題系に焦点を合わせ、共同研究を行う。1.宗教が他者の排除を目的として暴力を正当化する場合(聖戦思想の形成、十字軍、異端処罰など)、2.宗教が暴力を阻止し、和解のために機能する場合(寛容思想の形成、異教徒との共生、魔女裁判での和解など)、3.宗教が国家の利害に奉仕し暴力を容認する場合(近世ヨーロッパの宗教戦争、フロンティア地域での布教など)。これらの問題を考察することで、中近世キリスト教世界における「宗教と暴力」の相互関係とそれが社会構造の形成と変容に与えた影響を明らかにする。 以上の目標に向かい、今年度は、分担者による研究会を3回開催した。初回は、分担者全員が自身の研究計画に沿って「宗教と暴力」に関するテーマについてそれぞれ報告し、今後の研究の方向性を確認した。第二回目は、「近世の魔女と暴力」をめぐるワークショップを行い、そこで魔女迫害と暴力がいかにヨーロッパ近世世界での「宗教と暴力」の問題と深く関わるものであるかを確認した。第三回目は中近世ロシアの宗教と暴力、十字軍と暴力についての分担者が報告する研究会を開催した。これらの研究会を通じて分担者が共同で討議し、今後の自身の研究をどのように展開するか話し合った。また数名の分担者が研究費で海外渡航し資料収集を行い、研究計画に沿って自身の研究を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた3回の研究会を開催し、各分担者が自身のテーマについて予定通り深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
同様に、年に数回の研究会を開催して相互に討議を重ねていく予定である。
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Research Products
(6 results)