2022 Fiscal Year Annual Research Report
X-ray fluorescence analysis harmless to cultural heritages for the next 100-1,000 years
Project/Area Number |
18H00753
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小栗 慶之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (90160829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 純 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (90302984)
羽倉 尚人 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (00710419)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 蛍光X線分析 / 陽子線励起X線放出 / 吸収端 / 検出下限 / 放射線損傷 / 吸収線量 / 文化財 / 無機系顔料 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,まず一次X線発生用Ge(KαX線エネルギー = 9.88 keV)標的,X線レンズ,Cu(K吸収端エネルギー = 8.98 keV)含有測定試料,及びX線検出器全てを一体化して固定できる専用アダプターを製作し,加速器のビームラインに取り付けてXRF測定を行ったところ,X線収量の再現性が向上し安定に測定できるようになった.次に日本画用鉱物系青色顔料に含まれるCu化合物を模擬した硫酸銅と絵具の基材(膠)を模擬したゼラチンを混合して標準試料を作製した.これらを測定して濃度・蛍光X線カウント間の検量線を作成した.Cu濃度ゼロの試料よりバックグラウンドデータも取得した.これらのデータからCuの検出下限として80 ppmを得た.次に測定した入射一次X線スペクトルと試料のエネルギー吸収係数から試料が受ける吸収線量を計算し,14 mGyを得た.一方,比較のためX線源を電子線励起の小型X線管に置き換えた装置系を作製して同じ測定を行ったところ,陽子線励起の場合よりも一次X線強度が大きく統計精度が良いため,検出下限は32 ppmに達した.しかし線量は430 mGyに増大した.そこで「吸収線量×測定面積×検出下限の2乗」で定義される性能指数を導入して両者を比較したところ,陽子線励起単色X線を用いると同じ検出下限性能を得るための線量を1/5程度に低減できることが明らかとなった.次にCu系及びCo(K吸収端エネルギー = 7.71 keV)系青色顔料が混合して使用された場合を想定し,Cuを含む岩群青(アズライト)とCoを含む花紺青(スマルト)をゼラチン基材に混合し麻紙に塗布して模擬試料を作製した.これを一次X線発生用Cu(KαX線エネルギー = 8.04 keV)標的及びGe標的を用いてXRF測定したところ,Cu標的を用いるとCoのみを選択的に高精度・低線量で測定できることが分かった.
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|