2018 Fiscal Year Annual Research Report
水文分析と深層学習を加えた全球の地形分類の高度化と構造化
| Project/Area Number |
18H00769
|
|---|
| Research Institution | Geospatial Information Authority of Japan (Geography and Crustal Dynamics Research Center) |
|---|
Principal Investigator |
岩橋 純子 国土地理院(地理地殻活動研究センター), その他部局等, 主任研究官 (90391698)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 大 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70736040)
松岡 昌志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (80242311)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| Keywords | 地形分類 / DEM / 数値地形解析 / 地盤分類 / 土壌 / 水文分析 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
全球の自動地形分類図及びその作成手法として，2007年に1kmDEMを用いたケース（Iwahashi and Pike, 2007），さらに2018年に科研費15K01176の成果として280mDEMを用いたケース（Iwahashi et al., 2018）を発表した．2007年の手法による地形分類図は，諸外国で地震による揺れやすさのプロキシ，あるいは土壌タイプ推定のプロキシとして利用されている．しかし，これらの全球の地形分類図は，幅の狭い谷底平野や平野内の微高地を識別することはできず，人口が多い沖積平野において満足できるものではなかった．解決のためにより高解像度なDEMの使用が必須であるが，人工改変の激しい沖積平野については，高解像度DEMで顕在化するノイズ的な凹凸の影響で，従来手法では分類自体が充分にできなかった．そこで2018年度から，後続研究として本研究を開始した．
2018年度は，米国カリフォルニア州のNational Elevation Dataset（NED；USGS）から内挿補間した30mDEM，関東地方の基盤地図情報（国土地理院）から内挿した30mDEMを用い，より高解像度なDEMによる平野部の自動地形分類手法の改善を行った．洪水関係の水文分析に使われるHAND（Height Above Nearest Drainage）を新しいパラメータとして加えると共に，地形要素抽出の閾値を変更し，自動分類手法の改良を行った．新手法は，従来手法で認められるDEMノイズの増幅を回避しつつ，地形学的・地盤工学的な分類が大きな齟齬なく成立する自動分類手法の開発に，概ね成功した．これらの結果は国内外の学会で発表した．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平野部の地形分類手法の改善結果について，VS30（表層30mのS波速度；地盤強度や揺れやすさの指標に用いられる）と試作図のカテゴリの統計調査や，既存の地形分類図（土地条件図；国土地理院）との比較を行った．その結果，より高解像度なDEMを用いた平野部の自動地形分類手法の改善という2018年度の目的が，概ね達成されている事を確認した．
|
| Strategy for Future Research Activity |
日本全国とカリフォルニア州の30mDEMを用いた地形分類図を，2019年度を目処に完成させる予定である．さらに，最終目標である90mDEMを用いた全球の分類図作成に向けて，Physio-climaticなゾーニングを利用し地域特性に応じた分類の検討を行う．研究協力者と共に，山岳の地形分類に，深層学習によって抽出する特異な地形のレイヤを追加できないか検討を行う．
|
