2018 Fiscal Year Annual Research Report
Existence Structure of Contemporary Mountain Villages and their Resilience
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18H00771
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
岡橋 秀典 奈良大学, 文学部, 教授 (00150540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀一 明治大学, 商学部, 専任教授 (00298415)
後藤 拓也 広島大学, 文学部, 准教授 (00452798)
西野 寿章 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
宮地 忠幸 日本大学, 経済学部, 准教授 (40339354)
中條 曉仁 静岡大学, 教育学部, 准教授 (40432190)
作野 広和 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (50284146)
田中 健作 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 講師 (20636469)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 山村 / 存立構造 / 経済基盤 / コミュニティ / レジリエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本の山村地域における2000年代以降の変動をふまえ、新しい観点・手法・対象を組み込んで、日本の山村の存立構造の変動を把握し、持続的地域対応力(レジリエンス)を究明することを目的としている。平成30年度は、「現代山村の存立構造とその変動の解明」の研究に取りかかり、順調に研究を進めることができた。現代山村の存立構造の研究は、下記の1)~3)の3つのパートに分かれ、同一パート内で相互に連携しながら以下のような研究を実施した。1)農林業の存立構造(担当:後藤、宮地、中川)では、後藤は現代日本の山村構造に影響を与えつつある「企業の農業参入」のうち,近年急増している「植物工場」の実態把握を行った。宮地は中山間地域農業の動向の把握を統計データから試み、あわせて中山間地域政策の一つとして実施されている中山間地域等直接支払制度の活用実態について,現地調査を行った。中川は林業をめぐる新たな動きに焦点を当て、実証的サーベイを開始した。2)新産業の存立構造(担当:岡橋、西野)では、岡橋は三河山間部の産業構造の変化について、農業、林業、六次産業、工業などを中心に調査を進め、新たな動きを見出した。西野は岡山県西粟倉村における山林管理とその財源としての小水力発電の推進の仕組みについて調査を行った。3)政治・社会の存立構造(担当:作野、中條、田中)では、作野が住民自治組織の構築に関して,兵庫県豊岡市,兵庫県佐用町,島根県邑南町を対象に現地調査を行った。中條は寺院の存立基盤に関する研究を行い、パイロット的調査を広島県三次市と庄原市において実施した。田中は、四国山地の国鉄・JRバスの自治体バスへの転換過程における沿線対応や、高知県における公共交通空白地有償運送の導入に関する基礎資料を収集し整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、各分担者は現代山村の存立構造に関わる担当テーマについて、文献レビューをすませ、さらに現地調査にも入っている。チーム全体の研究打ち合わせの集会を2回行い、周到に計画を検討したことが功を奏した。初年度としては順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年に引き続き山村の存立構造について実証研究を進めるが、その推進方策として、全国学会でのメンバー全員の発表と研究集会の開催を予定している。成果発表は日本地理学会と人文地理学会を予定し、また発表の前に研究分担者の集会を開催し、報告内容の検討を行う。次の年度には成果を本にまとめるための原稿執筆を行うことを予定している。
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