2018 Fiscal Year Annual Research Report
人類学の外部から考える人類学の可変性と可能性:医学教育をめぐる協働の現場から
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18H00782
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (40369864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 淳子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00368739)
錦織 宏 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10463837)
浜田 明範 関西大学, 社会学部, 准教授 (30707253)
星野 晋 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (00259649)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 文化人類学 / 医学教育 / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文化人類学(人類学と略)を取り巻く外部と人類学との関係をメタレベルで考察しつつ、将来の人類学のあり方の可変性と可能性を示すことを目的とする。とりわけ本研究では医学教育との関係でその目的を追究する。 本研究は、日本の人類学の外部で生起している喫緊の課題(2017年3月に改訂された「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に見られるような外部からの人類学への要請)を題材として、実践的かつメタ人類学的な検討を実施し、人類学の可変性・可能性を検討する。すなわち、医学教育にいかに人類学的な素養を導入するか、という課題をめぐる分野横断的な協働を実施しながら、それをメタレベルで考察する。「(医療者に学んでもらうべき)人類学という知のエッセンシャル・ミニマムとは何か」、ひいては「人類学という知の、何が社会から要請され(う)るのか、それに応じて人類学をどう(再)定義していくのか」というリサーチクエスチョンを学術的に(歴史的な視野の中で、また、医療に限らない 比較の視野の中で)追究するものである。具体的な計画は、【課題①】医学教育の個別の特徴を調査し、【課題②】医学教育者・医師との協働実践(症例検討会をはじめとする医学生向け人類学教育プログラムの開発)を推し進めつつ、【課題③】医学教育との関係において、人類学という学の将来のあり方を検討する。さらに、【課題④】人類学専攻者向けでない人類学教育のあり方を検討しながら上記リサーチクエスチョンを追究する、というものであった。 本年度は【①】【②】を主として検討した。複数の大学医学部において医学教育個別の特徴を実践的な教育を通じて調査した。 また、文化人類学会の研究大会や医学教育関連の会合においてワークショップを実施し、その後メンバーによって振り返りを実施した。それらは本研究にかかわる様々な情報を集める貴重な機会となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べた具体的計画のうち、本年度は【①】【②】を主として検討した。 金沢医大、川崎医大、藤田医科大、京都大、名古屋大、鳥取大学、兵庫医大における医学教育個別の特徴を調査した。医学部の教員らと協働し、「症例検討会」や「臨床実習のエスノグラフィックな歩き方」などの紹介を含む教育実践(授業)を通じた調査・検討となった。 日本文化人類学会第52回研究大会(2018年6月2日、弘前大)では分科会を組織し、本科研費研究の問題意識をもとに議論をおこなった(分科会代表者:伊藤泰信「医療者向け教育の現場から人類学の拡張可能性を考える」)。MEDC第70回医学教育セミナーでは「地域医療教育と文化人類学」というワークショップを、自治医大の教員らとともに実施した(2018年11月3-4日、自治医大)。 以上の実施実績から概ね順調に進展していると言いうる。
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Strategy for Future Research Activity |
【課題①】を継続しつつ【課題②】を重点的に実施する。引き続き、複数の大学における医学教育個別の特徴を調査する。海外の人類学・医学教育関連学会における動向調査も実施する。医学部の教員らと協働し、「症例検討会」(症例(事例)を活用した、患者や家族の理解をめぐるディスカッション形式の学び)や「臨床実習のエスノグラフィックな歩き方」(臨床実習中の医学生たちにエスノグラフィックな視点で医療現場を観察させる演習)を含む教育実践を通じた調査・検討を実施する。さらに、医学部の教員らと協働し、医師養成の文脈にふさしい人類学教育のあり方を考えるワークショップを実施し、課題を洗い出す。
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Research Products
(15 results)