2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00792
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
川口 由彦 法政大学, 法学部, 教授 (30186077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小石川 裕介 関西大学, 法学部, 准教授 (00622391)
出口 雄一 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (10387095)
兒玉 圭司 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10564966)
宇野 文重 尚絅大学, 文化言語学部, 准教授 (60346749)
岡崎 まゆみ 立正大学, 法学部, 准教授 (60724474)
林 真貴子 近畿大学, 法学部, 教授 (70294006)
宮平 真弥 流通経済大学, 法学部, 教授 (80337287)
山口 亮介 中央大学, 法学部, 准教授 (80608919)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 行政村 / 大字 / 名誉職 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、長野県伊那市内にある富県地域は、1954年に行われた町村合併以前には、富県村という独立した自治体の下にあった。この地域は、1879年に筑摩県の下で、貝沼村、福地村、新山村の3か村の合併によって富県村という行政村の下に置かれ、その後、1888年に町村制の制定により長野県上伊那郡富県村という行政村に再編成された。 この地域は、南アルプスの標高2600メートルに水源を有する三峰川の流域(南岸)にあたるが、2600メートルの高さから、海抜700メートルの富県地域まで2000メートル近くの落差を流れる急流は、この地域にしばしば大規模な洪水を引き起こした。この結果、三峰川流域は、何重にも形成された扇状地地帯となり、洪水によって良質なシルトが散布されると同時に2-3年に一度は大洪水に見舞われるという状況の下にあった。 洪水の影響を受けたのは、富県村だけではなく、三峰川北岸の美篶村、伊那町、南岸の東春近村、さらに三峰川が西流して流れ込む天竜川沿岸諸村も頻繁に起こる洪水に悩まされ続けた。このため、この地域では巨額の洪水対策費が必要となり、この費用は村財政だけでは到底まかなえないため、県及び国による予算動員が必要となった。富県近隣の高遠出身の中村弥六は、上伊那で絶大な人気を誇る政治家で第1回総選挙から明治末年まで衆議院議員に当選し続けた。中村は、反自由党系であったためこれを疎ましく思った自由党系の県会議員たちが、県会で多数を頼んで上伊那の洪水対策予算を大幅に減額するという事態が起こり、これに対し、上伊那の郡長、町村長は一斉に決起し、一斉辞職、県議不選出等を掲げ、これに押された県知事が県議会の予算修正を拒否する行動に出た。県予算の原案執行は内務大臣の許可を要したから、紛議は内閣・帝国議会に及び、結局、国費で洪水予算を捻出するという事態が起こる。富県村にとっては洪水問題は重大問題であった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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