2018 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive study on populist constitutionalism
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18H00797
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
木下 智史 関西大学, 法務研究科, 教授 (40183793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 一平 東海大学, 現代教養センター, 准教授 (20509624)
金原 宏明 熊本学園大学, 経済学部, 講師 (70811040)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 憲法学 / ポピュリズム / アメリカ合衆国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、Bruce Ackerman" WE THE PEOPLE Vol.1: FOUNDATIONS"の翻訳作業を完成させるとともに、3回の研究会を開催してアメリカ憲法理論について幅広く検討した。 第1回研究会(8月29日~31日 於:上智大学)においては、以下の研究報告に基づく議論を行った。中川 律(埼玉大「ニュー・ディールの見落とされた遺産:チャールズ・E・ヒューズの憲法法理」、川鍋 健(一橋大・院)「人民の、人民による、人民のための憲法:アキル・リード・アマールの憲法論から」、大江一平(東海大)「二元的民主政理論における市民的権利運動の位置付け:We the People 3を手がかりとして」、村山健太郎(学習院大)「合衆国憲法における宗教条項解釈の現状と課題―― Masterpiece Cakeshop Caseにおける「宗教への憎悪(animus)」と「市場の公共性」をめぐる議論をてがかりとして」第2回研究会(12月15日・16日 於:上智大学)においては、以下の研究報告に基づく議論が行われた。大河内 美紀(名古屋大)「「人民の解釈」とデパートメンタリズム・ポピュリスト立憲主義」、小竹 聡 (拓殖大)「1965年投票権法の制定とその合憲性」、江藤 祥平(上智大)「神なき憲法」、小泉 良幸(関西大学)「江藤報告へのコメント」第3回研究会(3月10日~12日 於:ホテルメルパルク熊本)においては、以下の研究報告に基づく議論が行われた。小谷 順子「大学における修正一条の保障についての一考察~差別的表現や論争的表現への対応~」、金澤 孝 「最近のアメリカにおける表現の自由(論)の諸問題について」、柳瀬 昇「上院の弾劾審判手続と司法審査」 研究活動の成果としては、木下智史「立憲主義の原型と変容ーアメリカ合衆国の議論を素材として」公法研究80号(2018年)1頁以下、大江一平「二元的民主政理論における市民的権利運動の位置付け」総合法政策学研究会誌2号(2019年)54頁以下がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の柱の一つであるBruce Ackerman" WE THE PEOPLE Vol.1: FOUNDATIONS"については、翻訳を終え、2019年度中に刊行できる予定である。また、当初の研究会メンバーによる研究報告をひととおり終え、各自に「ポピュリズム憲法学」と関わりのある研究テーマを考案していただいている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度からは、Bruce Ackerman" WE THE PEOPLE Vol.2: TRANSFORMATIONS"の内容検討を始める。また、研究会のメンバーも増員し、研究の幅も広げていく予定である。8月には、日本のアメリカ憲法研究の第一人者であるブリテッシュ・コロンビア大学教授松井茂記氏による講演会を実施することが決定している。また、このほかに研究会を年度内に3回程度開催し、アメリカ憲法研究者の報告に基づく議論を進展させていく予定である。
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Research Products
(4 results)