2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive study on populist constitutionalism
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18H00797
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
木下 智史 関西大学, 法務研究科, 教授 (40183793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大江 一平 東海大学, 現代教養センター, 准教授 (20509624)
金原 宏明 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (70811040)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポピュリズム / 立憲主義 / 憲法学 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、4回の研究会を開催した。8月10日に開催された第4回研究会においては、ブリテッシュ・コロンビア大学の松井茂記教授を迎え、「リベラリズム、リパブリカニズム、ポピュリズム――そして憲法」と題する講演をしていただき、それに基づく質疑応答を行った。8月28日・29日には、第5回研究会を開催し、Bruce Ackerman, We the People Vol.2の第1章・第2章の検討を行うとともに、巻美矢紀「憲法解釈について――立憲主義と民主主義」、平地秀哉「ポピュリズム時代の熟議民主政」、福嶋敏明「アメリカの信教の自由をめぐる動向について」の各報告とそれに基づく討論を行った。12月14日・15日に行われた第6回研究会においては、Bruce Ackerman, We the People Vol.2の第3章~第5章の検討と勝田卓也「再建期の最高裁は反動的だったのか?」、塚田哲之「公民権運動と合衆国最高裁」、松尾陽「二人のリベラルな共和主義者をめぐる覚書」の各報告とそれらに基づく討論を行った。2月22日・23日に行われた第7回研究会においては、ポピュリズム研究の第一人者である水島治郎教授により「ポピュリズムと現代民主主義」と題する講演をしていいただき、現在各国を接見するポピュリズムの動向を学んだ。また、坂田隆介「ポピュリズム憲法学と最高裁の正統性」は、ポピュリズムの時代における違憲審査の存在理由を検討するものであった。このほか、WE THE PEOPLE Vol.2の第6章・第7章についての検討も引き続き行った。 以上、今期においては、研究課題であるポピュリズム憲法学と立憲主義との関係につき、憲法学のみならず、歴史学、政治学の知見も加え、「総合的研究」の名にふさわしい研究ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の一つの柱であったBruce Ackerman, We the People第1巻の翻訳出版は、2020年度中に行われることとなった。引き続く第2巻の検討も2020年度中に終えることができる目処がついた。そして、「ポピュリズム憲法学」についても、2019年度における多角的な検討を踏まえ、正面からの検討を加える視点と知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は、引き続き2本の柱について行う予定である。 第1は、Bruce AckermanのWe the People全3巻の内容の検討を進めること、第2は、アメリカにおける「ポピュリズム憲法学」の動向とそれをとりまくアメリカの憲法学の状況を踏まえて、日本における立憲主義のありように関する有用な視点を得ることである。
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Research Products
(4 results)