2018 Fiscal Year Annual Research Report
Security Policies in the Age of War on Terror: Comprehensive Studies on Security Partnerships between Japan and the Middle East
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18H00822
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 恵 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40390702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 均 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 新領域研究センター, 上席主任調査研究員 (80414077)
鈴木 一人 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (60334025)
宮本 悟 聖学院大学, 政治経済学部, 教授 (70412137)
小宮 京 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80451764)
牧原 出 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00238891)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | セキュリティ / テロリズム / 安全保障 / イラン / イスラエル / トルコ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成30年度においては、研究態勢の構築を進めた。本研究の解明しようとする対象は、2001年の9・11事件以後に、米国が「対テロ戦争」を外交・安全保障上の最大課題とする中で、日本と中東・イスラーム世界との間で進んだ治安と安全保障に関わる関係である。この対象に中東研究や国際政治の専門家と、日本政治史・行政学の研究者が協働して調査研究を行っていくために、初年度は日本と中東諸国の間のセキュリティ政策に関する関係を調査するための人的・物理的基盤を構築して行くことが初年度の課題だった。 そのために、セキュリティ政策において世界をリードし、セキュリティ研究ににおいても指導的な研究者・研究機関を多く持つイスラエルとの関係を特に重視した。テルアビブ大学やヘブライ大学との研究協力の関係構築を進め、部局間協定や大学間協定を締結することで、日本とイスラエルの間のセキュリティをめぐる関係についての調査研究を恒常的に行える枠組みを構築しつつある。初年度においてはテルアビブ大との部局間協定の締結と、それに基づいて、本プロジェクトの研究代表者・分担者の3名による現地への渡航、外交当局へのヒアリングやセキュリティ研究に関わる機関との非公開セミナーの開催により、セキュリティ政策をめぐる日本と中東諸国の関係についての研究態勢は急速に整いつつある。 また、イスラエルと並び、中東におけるセキュリティ政策の重要な当事国となり、日本との関係も深まっているトルコについてはイスラエルと同様に重点的に調査を行なった。トルコにおけるセキュリティに関する有力な研究機関との協力関係を進め、現地で開催されたセキュリティに関する会議に参加して報告し、日本のセキュリティ政策に関するパーセプションのフィードバックを得るなど、複数言語による研究成果の情報発信を通じた、さらなる情報の収集も進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
第一に、本研究に関わる海外の調査拠点の形成が進んだことである。テルアビブ大モシェダヤン中東アフリカ研究センターとの関係構築により、日本とイスラエルのセキュリティ協力に関する調査の拠点形成が想定以上に急速に進んだ。モシェダヤン・センターと東大・先端研との共同ラウンドテーブルを初年度に開催し、研究プロジェクトのメンバーが渡航して報告を行い、今後の客員研究員としての受け入れによる拠点提供の確約も得られるなど、2001年以降のセキュリティ政策に関わる日本・イスラエル間の協力に関する調査研究の態勢を整えつつある。 第二に、本研究の基礎となる、セキュリティ研究に関わる実務家と研究者の意見交換の場の設立が急速に進んだことである。「先端研セキュリティ・セミナー」と銘打った、専門家・実務家の意見交換の場を設定し平成30年度に10回開催することで、セキュリティ政策に関して日本側の関係者と、中東における関係者の双方から知見を収集する場を確立しようとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクトの第二年度の令和元年度においては、初年度に構築した、中東諸国との研究協力や、セキュリティをめぐる日本の実務家と研究者の協議の場を活用し、非公開・公開の研究会やヒアリングの場を多く設け、2001年9・11事件以来の国際安全保障に関する日本の関わりと、現地諸国の動きとの関係を追究していく。 第二年度においては中東諸国のセキュリティ研究の専門家、有力な実務家の日本への招聘も行って、日本のセキュリティ専門家との意見交換の場も設け、セキュリティ政策をめぐる国際関係の実態把握に努めたい。 研究成果は日本語の媒体だけでなく、英語やアラビア語等、国際共通語や、中東現地諸国の言語による発信も交えて、日本と中東のセキュリティ政策をめぐる関係について、現地からのフィードバックを得ることも考慮する。秘匿性が高いセキュリティ政策に関する知見を集約するために、積極的な情報発信を通じて、当事者を含む各国の担当者からの情報収集を進める、積極的な調査手法を本プロジェクトでは開拓・実践していく。
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Research Products
(28 results)
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[Presentation] FOIP and the Middle East2018
Author(s)
Satoshi Ikeuchi (池内恵)
Organizer
International Conference on the Free and Open Indo-Pacific Region: Concepts, Challenges and Opportunities” University of Michigan, November 8-9, 2018
Int'l Joint Research / Invited
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