2019 Fiscal Year Annual Research Report
Globalizing East Asian Historical Perception Problems
Project/Area Number |
18H00827
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
大芝 亮 広島市立大学, 付置研究所, 特任教授 (50168910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 鍾元 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (20210809)
伊藤 裕子 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (20316904)
馬 暁華 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (30304075)
佐々木 卓也 立教大学, 法学部, 教授 (60202090)
林 載桓 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80615237)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 歴史認識 / 東アジア / 和解 |
Outline of Annual Research Achievements |
東アジアの歴史認識の国際的展開を見るため、アメリカおよび韓国人および韓国での歴史認識問題意を考察することに焦点を当て研究会を開催した。まず、2019年4月に「ホロコーストとアメリカ」について丸山直起(明治学院大学名誉教授)の報告があり、ホロコーストと広島・長崎の原爆体験について議論がなされた。また、アメリカや日本、ドイツ、および中国・韓国をはじめとするアジア諸国での受け止め方についても議論がなされた。6月高橋優子(広島市立大学)による在日コリアンの被爆者運動について報告が行われた。広島・長崎での在日コリアンの運動についての実証的な研究報告であり、韓国において広島・長崎の被爆体験をどのように受け止めているのか、などについて議論が行われた。また、2019年5月、大芝は韓国済州島でのチェジュ・フォーラムにおいて、日本における歴史認識問題の動向について報告を行い、韓国人研究者をはじめ、海外の研究者との意見交換を行った。9月から1月までの期間に研究代表者が2度、入院・手術を行うことになったため、その間は、研究分担者各自による研究を進めた。分担者の伊藤裕子は夏より米国での在学研究に入り、米国で韓国・慰安婦像建立の中心になったメンバーとの意見交換を行った。東アジアの歴史認識を、和解という分析視覚から考察することも重要であるとの考え方に基づき、2020年2月、浅野豊美(早稲田大学教授)より和解学についての報告がなされた。和解の概念、正義ある和解の概念などを中心に議論を行い、いかなる分析概念が東アジアの歴史認識の国際的展開を考察するうえで有効かを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年8月までは、定期的に研究会を開催し、研究テーマについて幅広く考察するとともに、議論を通じてしだいに論点を絞る方向を模索した。研究代表者は韓2019年5月に韓国での国際会議で報告を行い、外国の研究者からのコメントを貰うなど、研究は予定通りに進行した。しかし、研究代表者が2019年9月から2020年1月の間に2回入院・手術を行うなど体調を崩したため、その間、研究会の開催ができなかった。その間、分担者は個々に研究を進めたが、研究は計画と比べ、遅れることになった。2020年2月には、研究会を再開した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表の体調回復に合わせ、研究会を予定とおりに進行させていく。ただし、2020年度3月ころから拡散しはじめたコロナ禍の状況を見ながら、安全・安心の体制で研究を進めていく方針である。海外での調査については予定通りに実施する計画であるが、状況を見て判断する必要性を感じている。具体的にはオンラインでの研究会の開催を中心に研究を進めていく。
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