2018 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア新興国におけるカイゼン経営の普及に関するフィールド実験を用いた経済分析
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18H00850
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
樋口 裕城 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (60757269)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 万理 一橋大学, 大学院経済学研究科, 講師 (70792688)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ベトナム / RCT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の大枠は以下の通りである。新興諸国においては、地場企業の経営力が不足しているために、製品の高付加価値化が進まず、中所得国の罠に陥る可能性が指摘されている。その一方で、先進国で用いられている経営の知識は、トレーニングを通じての普及が可能であることがわかってきた。本研究では、東南アジア新興国の地場企業を対象として、生産管理の一手法であるカイゼンの研修を提供するフィールド実験を行う。日本企業はカイゼンの導入によって生産性を向上させてきた歴史があるが、カイゼンは会計やマーケティングといったその他の経営分野ほどは体系化されていない。そのため、暗黙知的な側面を持つカイゼンの普及については、まだ明らかになっていない点が多い。フィールド実験による研修を通じて、カイゼンの知識の普及がどの程度可能であるか、カイゼンの導入が持続的な生産性や職場環境の向上につながるかどうかを定量的に検証する。さらに、対象となる企業の従業員と川上・川下企業からデータを集めることで、企業内でどのようにカイゼンの知識が伝播するのか、取引関係のある企業に知識のスピルオーバーが生じるのかという点を分析する。 この大枠の中で2018年度の主な成果は、本課題に関連する論文のWorld Development誌への掲載(なお、データ自体は、以前に別の科研費等を用いて集めたものである)と、本課題のためにベトナムで新たな企業調査を実施したことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、ベトナムにおいて企業調査を実施し、約100社からのデータを集めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、このデータを分析を進めるとともに、本課題でカバーしようとしている別の国での調査準備を進める。
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Research Products
(6 results)