2018 Fiscal Year Annual Research Report
中国一帯一路政策とアジア債券市場構想の政策的親和性:国際公共財・ネットワーク理論
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18H00851
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
島田 淳二 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40383492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佃 良彦 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (10091836)
宮越 龍義 法政大学, 理工学部, 教授 (60166139)
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
日置 史郎 東北大学, 経済学研究科, 教授 (80312528)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アジア金融市場 / 一路一帯政策 / 国際公共財 / ネットワーク理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
A現状認識班(島田・趙・日置)は、AIIBへの資金申請・採択・進行・完了状況を調査し、現状認識を行った。そのかなりの部分はADBとの共同融資であるが、不良債権もすでに発生していることが明らかとなっている。 B公共財理論班(趙・宮越)は、研究目的(I)の理論で、資金の提供国、公共財の提供国・フリーライダー国、便益の受益国という3者の利害関係を解明できるモデルを構築し、Suzuki,K., Itaya,J., Yamanashi,A., and Miyakoshi,T.(2018)論文として学術誌に投稿した。 Cネットワーク理論班(島田・宮越・佃)は、研究目的(II)の理論で、統一経済圏を表現する生産・金融ネットワークモデルを構築する。金融ネットワークでは、点としての金融市場(国債格付けによるリスクウエイト付け)を定め、線としての各国金融市場間の連結性を推定することで、金融ネットワークを解明した。Shimada,J., Tsukuda,Y. and Miyakoshi,T.(2018a,b)はこうした問題に対して、パラメトリックアプローチを用いて取り組んだ。また、Miyakoshi,T., Li,KW., Shimada,J.and Tsukuda,Y.(2018)は同様の手法を香港REIT市場の解明に応用し、学術誌に投稿した。 国内外における研究ネットワークの構築に関しては、2018年6月2日に日本国内で研究者を青山学院大学に招聘し“アジア経済シンポジウム”を開催した。また、2019年3月25日には日本、中国、香港より多数の研究者を青山学院大学に招聘し国際シンポジウム“International Workshop on "One Belt & One Road"”を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、学会やワークショップなど通して各班はそれぞれの課題に応じた研究成果を着実に発表してきている。本計画の研究テーマに関する研究集会等を通じて、国内外の協力者との研究ネットワークの構築も進展した。 出版物に関しては、プロジェクト開始初年度であるが、Zhao(2019)、Tsukuda, Shimada and Miyakoshi (2019)、丁, 日置(2019)など複数の論文を学術誌等に公刊論文として出版している。さらに、複数の論文を査読付き国際学術誌に投稿し、現在、審査を受けているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も昨年に引き続き、A現状認識班(島田・趙・日置)は、AIIBへの資金申請・採択・進行・完了状況を把握して、その中からいくつかの事例研究を行う。B公共財理論班(趙・宮越)は、研究目的(I)の理論で、資金の提供国、公共財の提供国・フリーライダー国、便益の受益国という3者の利害関係を解明できるモデルを構築する。Cネットワーク理論班(島田・宮越・佃)は、研究目的(II)の理論で、統一経済圏を表現する生産・金融ネットワークモデルを構築し、金融ネットワークを解明する。 これら各個別テーマについて研究代表者と研究分担者は、日常的には個人的な直接会合あるいは電子メールの交換を通じて研究討議を行う。また、ある程度形のまとまった研究については、海外・国内のセミナー等で報告を行い、多くの外部研究者による批判・コメントを受けて論文の改良に取り組み、学術誌に投稿していく。
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Research Products
(10 results)