2019 Fiscal Year Annual Research Report
中国一帯一路政策とアジア債券市場構想の政策的親和性:国際公共財・ネットワーク理論
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18H00851
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
島田 淳二 青山学院大学, 経営学部, 教授 (40383492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佃 良彦 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (10091836)
宮越 龍義 法政大学, 理工学部, 教授 (60166139)
趙 来勲 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (70261394)
日置 史郎 東北大学, 経済学研究科, 教授 (80312528)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アジア金融市場 / ネットワーク理論 / 国際公共財 / 一帯一路政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
A現状認識班(島田・趙・日置)はAIIBの活動状況を調査し、現状認識を行った。そのかなりの部分はADBとの共同融資であるが、不良債権もすでに発生していることが明らかとなっている。これらは内容を精査したのち雑誌に投稿予定である。他方、中国のビジネスモデル理論的基礎となりうる理論がDavis, Zhao(2019)によって与えられた。さらに、Zhao (2019)は中国経済の特徴である戸籍と輸出の関係を明らかにした。 B公共財理論班(趙・宮越)は、研究目的(I)の理論で、資金の提供国、公共財の提供国・フリーライダー国、便益の受益国という3者の利害関係を解明できるモデルを構築し、Suzuki, et al. (2019)論文として再改訂して別の学術誌に投稿した。また、Zhao and Miyakoshi (2020)論文としてWorkshop on: Public Policies and Time Zonesで報告した。 Cネットワーク理論班(島田・宮越・佃)は、研究目的(II)の理論で、統一経済圏を表現する生産・金融ネットワークモデルを構築する。金融ネットワークでは、 点としての金融市場(国債格付けによるリスクウエイト付け)を定め、線としての各国金融市場間の連結性を推定することで、金融ネットワークを解明する。Shimada, et al. (2019)はこうした問題に対してパラメトリックアプローチを用いて取り組み、再改訂を行った後、2019 Asian Meeting of the Econometric Society等で報告し、学術誌に投稿した。また、Miyakoshi, et al.(2018)は同様の手法を香港REIT市場の解明に応用し学術誌に投稿し、現在3回目の改訂中である。 国内外における研究ネットワークの構築に関しては、2019年10月7日に内外の研究者を神戸大学に招聘し“Workshop on : Migration, Employment & Finance”を開催し、中国の金融ネットワークに関する知見が報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年同様、当初の計画に従って各班は学会やワークショップなどを通してそれぞれの課題に応じた研究成果を着実に発表してきている。今年も本計画の研究テーマに関する国際シンポジウムを開催し、内外の研究者との研究ネットワークもさらに発展させることができた。出版物に関しては、まだ事業期間の前半であるものの、DP・WPとして多数の論文を内外の学会で発表し、また査読付き国際学術誌に投稿している。その中でも今年度はDavis, Zhao(2019)とWei, Yuan, Zhao(2019)の論文二件が査読付き国際学術誌から公刊され、Miyakoshi, et.al. (2018)が改訂・再投稿に至っている。 以上より現時点においては、本研究事業はおおむね順調に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
B公共財理論班(趙・宮越)は昨年度の成果を踏まえ、Miyakoshi (2016:AE)、Miyakoshi & Suzuki (2017:AE)で提案した実証分析手法を用いて資金調達式を入れることで資金調費用・貸倒リスク・調達額、さらには、国際公共財の便益額などを勘案して、資金提供量や国際公共財の提供量の決まるモデルを再構築する。 Cネットワーク理論班(島田・宮越・佃)は昨年度の成果を踏まえ、引き続き研究目的(II)の理論で金融ネットワークに対して、点として金融市場(国債格付けによるリスクウエイト付け)を定め、線として各国金融市場間の連結性を推定することで金融ネットワークを解明する研究を行う。 D実証・政策班(島田・佃・日置)はこれらのモデルを使って、実証・政策評価分析を行い総括するための準備を行う。B班の構築したモデルに、データを入れて、生産関数のパラメータを推定し、また、国際公共財価格(提供の費用)、賃金、ソブリン債金利、社債金利、銀行貸出金利、公的銀行金利を推定する。それらのパラメータをもとに、資金提供国及び国際公共財の提供国・フリーライダー国を判定し、さらに加盟国の便益の受益額を計算する。間接金融と直接金融の場合で比較する。 これらのテーマについて、研究代表者と研究分担者は日常的には個人的な直接会合あるいは電子メールの交換を通じて研究討議を行う。ある程度形のまとまった研究については、海外・国内のセミナー等で報告を行い、多くの外部研究者による批判・コメントを受けて論文の改良に取り組み、学術誌に投稿を行う。また、今年度も社会情勢が許せば国際シンポジウムを開催し、さらなら研究ネットワークの発展と研究の深化を目指す。
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Research Products
(9 results)