2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00862
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
中村 良太 一橋大学, 社会科学高等研究院, 教授 (00717209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井深 陽子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (20612279)
YAO YING 一橋大学, 社会科学高等研究院, 特任講師 (30810915)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 医療経済学 / 医療政策 / 費用対効果 / 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療サービスに対する費用対効果評価では、費用と効果の両面のデータを用い、所与の健康効果を得るために必要となる追加費用の算出が行われる。その結果を考慮して保険適用等の判断がなされるが、政策決定者はそれに先立って、「費用対効果に優れる」と判断できる追加費用の水準をあらかじめ設定しておく必要がある。これを費用対効果の閾値と呼ぶ。本研究では、客観的な医療予算・支出に係るデータを用いて費用対効果の閾値の定量的な導出を行うことを目的とした。
日本における研究では、国民健康保険組合の市町村別医療費データと人口動態調査における年齢・性別で分けた市町村別死亡率のデータを取りまとめた。市町村の固定効果を制御した上で、ワクチン接種等の各市町村固有の医療支出や、年齢構造の違いによる自己負担率等の変動を操作変数として、医療支出が死亡率に与える効果の推定を行った。国民健康保険の医療費データには高齢者等の一部国民しか含まれず、特に企業等の健保組合が所管する公的医療費が補足できないため、この推定は国全体の医療システムの限界生産性を表さない点が本研究の限界点であった。
低中所得国における研究では、途上国の文脈における費用対効果の閾値についての理論的な研究を行った。また、世界銀行のデータベースから各国の公的医療支出と死亡率等の国際パネルデータを構築し、公的医療支出が死亡率に与える限界効果を推定し、国際レベルでの費用対効果の閾値の推定を行った。さらに、費用対効果評価の推進や閾値の設定に関して重要となるトピックとして、特にアジア諸国での費用対効果評価の進展、非感染症に関する費用対効果評価(いわゆるベストバイ)の設計に関する研究、費用対効果評価におけるリアルワールドデータの利活用に関する研究も行った。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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