2019 Fiscal Year Annual Research Report
社会主義経済体制下の中国農村における社会環境の特質と変容に関する再検討
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18H00876
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
弁納 才一 金沢大学, 経済学経営学系, 教授 (90272939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
祁 建民 長崎県立大学, 国際社会学部, 教授 (70448819)
田中 比呂志 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90269572)
古泉 達矢 金沢大学, 法学系, 准教授 (90724831)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中国農村 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の研究成果は、①中国農村訪問聞き取り調査の実施、②シンポジウムの開催、③中国農村訪問聞き取り調査報告書・学術研究論文の掲載、に大別することができる。 2019年9月に山西省H市政府水利局などの協力・支援を得て山西省内の複数の農村を訪問して聞き取り調査を実施し、次いで、華北の山西省と比較するために、西北の甘粛省敦煌市を訪問し、農村を直接参観することはできなかったが、敦煌市政府を訪問して地方誌を閲覧させてもらった。また、2019年10月には華中師範大学中国農村研究院の協力・支援を得て湖南省の農村を訪問して聞き取り調査を実施した。さらに、2019年12月には上海市と江蘇省無錫市・南京市を訪問し、無錫市では農村を訪問して聞き取り調査を実施した意外に、上海市では華東師範大学社会発展学院を訪問し、また、南京市では南京大学中華民国史研究中心を訪問して、それぞれで中国近代史研究に関わる意見交換を行った。 2020年2月末、金沢大学環日本海環境研究センターが主催するシンポジウム(「東アジアの農村社会・都市社会をめぐる環境とその発展」)が開催された。本来、本研究に協力・支援してくれた華中師範大学中国農村研究院と華東師範大学社会発展学院から報告者を招聘して国際シンポジウムとする予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって訪日を断念せざるをえなくなった。 2019年度は、研究代表者が中国農村訪問調査報告書4篇、近代中国農村経済史関連研究論文1編、単著1冊を刊行することができた。また、研究分担者は、近代中国農村に関わる学術研究論文を計10篇刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
華北(山西省)・華中(湖南省)・華東(江蘇省)の農村を訪問して聞き取り調査を実施することができた上に、本研究代表者が学内の競争的資金を得て単著を刊行することができ、研究代表者と研究分担者による近代中国農村に関わる学術研究論文の刊行数は計15篇となったことから、「当初の計画以上に進展している」との自己評価を下した。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大が収束する見通しが全く立たないことから、中国における農村訪問調査と文献資料調査および日本国内における文献資料調査とシンポジウム等の開催が難しいと考えられる。よって、これまでの中国農村訪問調査記録を精読し直して調査研究の成果を再整理し、来年度の中国農村訪問聞き取り調査を充実させるために、万全の準備を行うこととしたい。
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