2021 Fiscal Year Annual Research Report
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18H00889
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| Research Institution | Gakushuin University |
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Principal Investigator |
和田 哲夫 学習院大学, 経済学部, 教授 (10327314)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺羽 茂 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (60222593)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 国際特許 / 研究開発戦略 / 知財管理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
計画4年目の本年度も、当初計画に従い３つの目標をおいていた。第一は企業単位の国際特許データベース整備、第二は各国における出願戦略の巧拙の影響の分析、第三は医薬品企業のR&D戦略を企業資本構造や特許・製品の海外展開状況等との関係で探ることであった。
第一の目標に関しては、前年度にコロナ禍の影響を受けた作業遅延の回復につとめた。国際特許ストックデータベースの中で、同一多国籍企業に属する特許を特定し集計することに最大の困難があったところ、欧州特許庁PATSTAT の出願人IDとその名寄せコード（ルーベン・カトリック大学によるEEE-PPATデータに由来するもの）とOECD COR&DIPデータベースの組合せによって年度内に分析可能な基盤の水準に達した。
第二の目標に関しては、各国特許庁に同時出願された発明が異なる拒絶理由を受け取ることや、異なるタイミングで審査された場合の審査経過間の影響を検出する実証検討について、前年度に得た欧米間の分析を日米欧の三極間に広げ、共通現象が観察されることを確かめた。この結果は、欧州知財学会（EPIP)で発表した。
第三の目標に関しては、医薬品企業の国際特許ストックの価値分布と企業資本構造の関係に関して、前年度に海外学術誌に掲載された論文の継続検討を行い、資本構造と技術開発内容の関係について、ナイトの不確実性概念の利用など、より基礎的な視点からの仮説について検討しつつ、データベース整備を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3つの目標のうち第一のデータベース整備に関しては、目論見通りの部分と、やや遅れがみられる部分とが共存している。国際特許ストックデータベース構築のうち、OECD COR&DIPデータベースを利用することによって、欧州特許庁PATSTAT の国際特許データの企業別集計を国際横断的に行えた点は当初計画にペースが戻りつつある。ただし、OECD COR&DIPデータベースは、基本的に一時点のスナップショットデータであるため、COR&DIPデータベースの全3バージョンを横断して矛盾を削除する方法により近似的にデータ整備した。このため一部データ欠損が発生している恐れがある。本来はOrbis IPデータを中心とした商用データベースとの相互参照によりデータクリーニング作業を進めたかったところ、海外研究協力者との連絡がコロナ禍を受け遅延するなど影響を受け、当初の見込みよりはやや遅れている。
第二の目標については、コロナ禍の影響を受け国際学会等への参加が制約され、欧米間だけに限定されていた分析が日米欧間に広げられ海外学会発表を行えた点が順調な進捗と考えている。第三の目標については、新たな根本的な理論検討を進められた点で順調と考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
第一の目標である国際特許ストックデータベースの構築に関しては、いったん利用可能な形を得たが、欠損データの確認、日本の特許情報標準データや米国特許庁のPAIR/OAデータとの結合と確認などを計画する。この整備によって、第二の目標である国際特許出願戦略の分析を高度化する。また、ドイツ研究者との連絡や協働作業により、国際特許データベースの洗練化を進める。第三の目標については、最初の学術誌掲載を受けて、国内発表を広げるほか、ナイトの不確実性概念の利用などの根本的な概念道具の高度化をはかる。
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