2018 Fiscal Year Annual Research Report
Structure and Function of Better Social Communities toward Mutual Cooperation
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18H00893
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
高橋 徳行 武蔵大学, 経済学部, 教授 (60366838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西口 敏宏 武蔵大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (20270928)
伊藤 誠悟 武蔵大学, 経済学部, 教授 (80612275)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アントレプレナーシップ / ネットワーク / コミュニティ / 企業間連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度(2018年度)は、訪問調査として、自動車産業における企業間連携とその背後にあるコミュニティの構造を調査するために、トヨタ自動車の1次下請企業1社(ファインシンター)と東南アジアで中小企業向けのテクノパーク事業を運営している豊田通商に対して聞き取りを行った。ファインシンターでは事業説明・工場見学及び意見交換を行い、豊田通商ではテクノパーク事業開始経緯や機能の説明を受けた後に今後の展開や課題などを議論した。また、コミュニティの構造と起業活動に関しては、最近、多くの自治体が取り組んでいる「起業」誘致の事例を整理し、その中で成功している地域を訪問し、起業活動の活発さとコミュニティ構造の関係を調査した。その中でも、岡山県の山村である、人口1500人も満たない西粟倉村の調査では、最近10年間で、30事業体が創業し、そこでは180人あまりの雇用が生まれているという事実を発見した。規模は小さいスタートアップであるが、コミュニティの規模との比較で考えると、注目に値するケースである。2018年度の調査では、地域外とのネットワークの有効性や地域内における起業に対する態度や見方の変化があるという情報を得ることができたが、その定量的把握や定性面での深堀りは、2019年度以降の課題である。その他、コミュニティの構造とコミュニティ構成員やコミュニティ全体の行動成果にかかる文献等についての整理などにも精力的に取り組み、今後の調査の方向性を明らかにするために必要な情報を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1には、研究対象となる地域に関する情報を整理することができ、また訪問調査をすることによって、その実態を確認でき、当初の仮説を裏付けるような情報を得ることができたことである。ただし、今年度は、いわゆる成功した地域のケースについては順調に進んだが、同様の試みをしながら、所期の成果が得られていない地域のケースの発掘については、進捗がやや遅れている。しかしながら、いわゆる失敗しているケースは成功しているケースよりも豊富に存在しているので、この遅れは致命的ではない。 第2には、企業間連携の分野については、トヨタ自動車の1次下請けクラスの中にも、コミュニティの構造や企業同士のネットワークの進展に停滞感があることを認識できたことである。1980年代から2000年代にかけて、世界から称賛された仕組みであるものの、改めて評価し直す必要性を確認できた。今後、調査対象を拡大したり、調査件数を増やすことで、2018年度の調査結果が特殊なケースなのか、それとも自動車産業全体の傾向なのかを確認していきたい。 第3には、文献調査等を再整理することで、調査方法等を精緻化するために必要な情報を入手することができた。しかしながら、大きな方向性や仮説そのものに変更する必要がないことも確認できた。 以上、上記の3つの理由から、2018年度においては、本科研の研究は、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
第1には、地域コミュニティと起業活動に関しては、調査対象となる、いわゆる成功している地域をあと2~3地域程度追加して、訪問調査を行い、コミュニティやネットワークの構造を決定する要因を絞り込むことである。特に、地域内の起業活動には直接関係を持たないが、緩い関係や間接的な関係がどのような要素で構成されているのか、同様に、地域外のコミュニティとどのような要素でつながっているのかの絞り込みを行う。 第2には、成功している地域と規模や産業構造、そして地理的な条件が同じような地域で、コミュニティと起業活動が良い循環で回っていないところを数か所に絞り込み、訪問調査を行い、失敗地域の調査からも、重要な要素を導き出す試みを行う。 第3には、研究代表者が日本チームの代表を勤めているグローバル・アントレプレナーシップ・モニターのデータを使い、アントレプレナーとのネットワークを有する個人が、そうではない個人と比較して、起業活動において、どのような違いがあるのかを、「第1」と「第2」の計画を補う意味で実施する。 第4には、企業間連携については、トヨタ自動車、デンソー、豊田通商などのヒアリングを継続し、従来の企業コミュニティにどのような変化が起きているのか、その変化を引き起している要素にはどのようなものがあるかを、引き続き、探ることである。 最後に、2019年度からは、研究分担者に女性起業家研究者が加わることから、特に地域コミュニティと起業活動の調査では、男性と女性の違いについても、視野に入れて、調査・分析を行う。
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Research Products
(6 results)