2018 Fiscal Year Annual Research Report
Qualitative Researches for Interaction of Customer Value Creation and Corporate R&D
Project/Area Number |
18H00896
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長内 厚 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (70452505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 智子 早稲田大学, 商学学術院(経営管理研究科), 教授 (10330169)
椙山 泰生 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (70323467)
宮尾 学 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (80611475)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 技術経営 / マーケティング / 製品開発 / 顧客価値 / 情緒的価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成30年度は、研究の題意1段階としてデータ収集ステージとして位置付け、4人の研究分担者がそれぞれの担当、すなわち、(1)長内「顧客価値の高い製品開発におけるR&Dの事例」、(2)川上「技術が機能的価値以上の顧客価値を創造している製品開発事例」、(3)「技術が顧客価値を規定する社会的プロセスのモデル化のための非構造化インタビュー」、(4)「多義的な価値がR&Dを規定する社会的プロセスのモデル化のための非構造化インタビュー」のおおまなか分担によって、それぞれの領域の事例研究、文献サーベイなどを行った。 一部、各研究分担者の従前の研究と関連する研究成果については学会報告等で発表を行ったが、本研究プロジェクトとしての全体テーマとの統合、個々の研究成果の学会報告や論文による公開は次年度以降行っていく予定である。 本プロジェクトでは、年1~2回程度、研究分担者やその他研究者を交えた研究会の開催を予定していたが、本年度は10月21日に京都大学において早稲田大学技術経営研究部会と京都大学大学院経済学研究科経営学セミナーとの共催の形式で実施し、研究分担者の宮尾准教授から、最近の研究動向について報告を得た。 また、事例研究調査の一例として、研究代表者長内と研究分担者宮尾准教授による大企業におけるスタートアップ支援事業についてインタビュー調査や発表会の聴取などを行い、継続的に調査を進めている。 ただし、データ収集に若干予定よりも時間を要諦しているため、残り2カ年の研究期間を考慮して、4人の研究分担者のより統合的な研究の進め方が今後の課題である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は技術経営とマーケティングとの領域横断的で野心的な研究のため、収集する質的データが広範な企業、企業内組織に及ぶため、本プロジェクトの直接的成果に結びつくデータ収集は若干送れている。また、本年度は各研究分担者が自由なアイデアで多方面の企業事例の収集や文献サーベイを行ったているため、若干まとまりに欠けているところがあった。残り2カ年という研究期間を考えると、より統合的で効率的なプロジェクトの運営の見直しを行う必要があるかもしれない。ただし、定性的で探索的な研究においては必ずしも効率的なデータ収集が可能でないだけでなく、効率性を重んじる余りに、重要な新しい因果関係の発見を見落とす危険性もあり、データ集手段会でのある程度の冗長性はやむを得ないものと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況でも述べたように、扱う事例の範囲の広さからややデータ収集に時間をかけすぎ、全体のまとまりが見えにくい状況がある。一方で、エスノグラフィックな手法を重んじる本プロジェクトにおいては、事前に調査対象やリサーチクエスチョンを限定的にしすぎることもかえって成果につながらないと考えており、ある程度の自由度はこれまで通り維持しながら、あと2カ年という期限も意識して、4人の分担研究の取りまとめを意識するよう、日々のコミュニケーションや研究会を通じて、4人の研究作業の統合化を進めたいと考えている。
|
Research Products
(7 results)