2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18H00918
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 嘉倫 東北大学, 文学研究科, 教授 (90196288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜田 宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (40388723)
永吉 希久子 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50609782)
瀧川 裕貴 東北大学, 文学研究科, 准教授 (60456340)
中井 豊 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (00348905)
武藤 正義 芝浦工業大学, システム理工学部, 准教授 (00553231)
関口 卓也 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (70780724)
浦川 邦夫 九州大学, 経済学研究院, 教授 (90452482)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的排除 / 計算社会科学 / 動的過程分析 / 多水準分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はプロジェクト初年度なので、メンバーの間でプロジェクトの目標と方法を共有しながら研究を推進し、次のような知見を得た。 (1)社会的排除を抑止するメカニズムに関する先行研究を検討した結果、法律や制度のようなハードな対策だけでなく、ソーシャル・キャピタルのようなソフトな対策も効果的であることが分かった。(2)日本のツイッター上で政治的分極化が生じているのかをツイッターデータを用いたネットワーク解析とトピック・モデルを組み合わせた分析を行った。結果として、政党党首をフォローする人の中には、政治指向性にもとづくコミュニティが形成されていること、そのうちのほとんどは政治的内容について話していないが、10%が属する右派コミュニティ、20%が属する左派コミュニティでは政治的なイシューについて議論が行われていた。また、前者が排外的なイシューについて、後者が政治腐敗の問題について話し合っており、両者の議論のテーマが分離していることが示された。(3)計算社会科学の知見についての方法論的考察をまとめた。ビッグデータ分析と社会学、そして因果推論との関係について知見を得た。ソーシャルデータを用いた解析については、Twitterデータの分極化メカニズムの研究を進め、日本のTwitterにおいてトピックとネットワークの分極化がみられることを発見した。加えて、クラウドファンディングサイト上での社会的交換の論理を、ビッグデータとネットワークシミュレーションを組み合わせる手法によって検討し、そのメカニズムを解明した。また、オンライン掲示板でのオピニオンダイナミクスの因果メカニズムを分析するための実験研究を複数回実施し、意見が社会的影響力によって変化する因果メカニズムを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はプロジェクト初年度であり、メンバー間でプロジェクトの目標と方法を共有しつつ研究を推進することができた。 研究会は、2018年7月に芝浦工業大学大宮キャンパス、2018年11月東北大学、2019年2月東北大学で開催した。3番目の研究会には海外共同研究者であるサラ・バルデス・リンショーピン大学分析社会学研究所副所長も参加し、研究会後に芝浦工業大学芝浦キャンパスで彼女も報告者とする分析社会学の国際ワークショップを行った。 これらのことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度はプロジェクトを本格的に展開する予定である。このため6月に海外共同研究者のピーター・ヘデストロームとサラ・バルデスが所長と副所長を務めているリンショーピン大学分析社会学研究所を訪問し、議論を重ねて研究の高度化を図る。また国内では2回の研究集会を開催する予定である。
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