2019 Fiscal Year Annual Research Report
情報環境の構造転換にともなう世論の〈極性化〉―― その実態とプロセスの解明
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18H00926
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻 大介 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (50292785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 俊介 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30451876)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 世論形成過程 / 集団極性化 / ネット社会 / 民主主義 / 調査研究 / 情報行動 / 政治意識 / 社会意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、2019年4月から6月にかけて、全国18~69歳を対象とした質問紙調査(以下、本調査)の調査票確定作業および住民基本台帳にもとづく調査対象者の層化2段無作為抽出作業を進め、7月の参議院選挙後から9月にかけて実査を行なった。計画標本数2160ケース(120地点×各18人)に対して回収数は1098ケース、データクリーニング後の有効回収数としては1094ケース(有効回収率50.6%)を得た。 また、ウェブ質問紙による同一対象者へのパネル調査の3回目(第3波)を12月3日~15日にかけて実施し、フレッシュサンプル含めて3695ケースを回収、データクリーニング後の有効回収数としては3558ケースを得た。 対面会合としては、本調査実施のための最終打合せと昨年度のウェブ調査データにもとづく日本社会学会での報告準備の打合せを兼ねた第4回研究会を6月22日に開催。11月3日と2020年3月7日には、共同研究メンバーが本調査データおよび3回分のウェブパネル調査データを各自で分析した結果を持ち寄り、研究成果の公刊に向けた第5回・第6回の研究会を行なった。それをもとに3月中に出版企画書を作成し、出版社と交渉に入った(コロナ問題のため出版社側での検討が長引いており、現在も交渉継続中)。 研究成果の公表としては、10月6日に日本社会学会で共同研究メンバーとともに6名で連携報告を、11月10日には日本社会心理学会で共同研究メンバーとともに3名でポスター発表を行ない、また、11月30日には情報通信学会で研究代表者の辻が単独報告を行なった。その他、研究成果の一部は朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、テレビ朝日CS、ウェブメディア(SYNODOS)などで取材記事・論説として報道され、大阪府の職員研修や東大阪市・豊中市などでの市民講座でも、ポイントを紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時よりも研究費が減額されたため、民間研究助成に応募し、採択されたため、その予算によりウェブパネル調査第3波を実施。また、本研究計画のコアとなる全国ランダムサンプリング調査も実査を完了。2019年度内はコロナの影響も小さかったため、研究会合も予定通りに開催でき、データ分析・研究成果の公刊準備も含めて、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ問題のため、2020年度に予定していた研究会合はZoomやSlack等を活用し、基本的にすべてオンラインで実施する。ただし、研究成果の公開の一環である学会報告については、秋期にはオフライン開催の可能性が残るため、これに関しては出張して対面形式で報告する準備を進める。成果論集の公刊についても出版社と交渉中であるが、コロナのため出版社側での検討が当初予定よりも長引いており、今後の状況の推移を鑑みながら柔軟に対応をしていく。加えて、国内外の学術誌等への投稿を積極的に進める。 また、ウェブパネル調査第4波分についても、民間研究助成に応募し採択されたので、2020年11月から12月の実査を目途として、準備を進める。コロナ渦により生じたインターネット上の問題についての設問を新たに増やすため、継続設問項目を必要最小限に削減することを検討したい。
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Research Products
(12 results)