2019 Fiscal Year Annual Research Report
東アジア諸国における少子化の国際比較研究―理論的把握とパネルデータによる実証分析
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18H00936
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
松田 茂樹 中京大学, 現代社会学部, 教授 (00706799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹ノ下 弘久 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (10402231)
佐々木 尚之 大阪商業大学, 公共学部, 准教授 (30534953)
シム チュン・キャット 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (60721446)
ベ 智恵 桜美林大学, リベラルアーツ学群, 准教授 (90645219)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 少子化 / アジア / 未婚化 / 結婚 / 出産 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度、本研究が実施した研究実績は次のとおりである。 第一に、韓国出張をして、韓国青少年政策研究員が主催したNYPI 30th Anniversary Ceremony International Conferenceに参加した。そのシンポジウムにおいて、本研究の発表「Low Fertility in East and Southeast Asia:Young Employment and Education inDeveloped Economies」して、コメンテーター・フロアとの質疑応答を行った。また、Korean Inequality Research Networkの研究会合に参加して、私たちの研究報告3本を行い、韓国側参加者と意見交換を行った。 第二に、日本家族社会学会大会において、本研究成果を発表するテーマセッション「アジア諸国における少子化―教育との関係に注目して」を行った(4つの報告)。このセッションは好評であり、その後学会の雑誌『家族社会学研究』に特集として掲載されることになった。具体的な報告内容は次のとおりである。1.松田茂樹・佐々木尚之「アジア諸国における教育と少子化の関連についての理論的背景」、2.金鉉哲・裵智恵「韓国における超少子化現象と教育問題」、3.シム・チュン・キャット「赤ちゃんはどこへ行ってしまったのか ~シンガポールにおける少子化問題と『トーナメント競争マインドセット~』との関係」、4.梁凌詩ナンシー 「香港における少子化と教育問題-教育制度の変化とスタートラインで勝つ心理の形成」、5.劉語霏「台湾における少子化と教育問題」。 第五に、本研究メンバーで、英書『Low Fertility in Advanced Asian Economies』『Low Fertility in Japan, South Korea, and Singapore』の2冊を出版した。 第四に、本研究に使用する日本・韓国・台湾のパネルデータの作成作業をすすめた。海外のデータは想定以上に作業に時間を要しており、全データの完成までは至らなかった。 第五に、以上のほかに、本研究のメンバーそれぞれが、本研究の成果を学会報告や論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
韓国と台湾のパネルデータが、入手後に、当初の想定に反して相当データを加工しなければ分析データとならないことが判明した。具体的には、元の言語のデータまで遡らなければ、適切にデータ加工ができないところなどがある。この作業を行ったが、両データの作成に時間がかかり、この年度に完成には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず作業遅れている韓国と台湾のパネルデータを加工する作業を行う。その作業終了後、パネルデータを用いて、東アジア諸国の結婚・出生等の分析を開始する。 また、日本家族社会学会大会で行ったテーマセッション「アジア諸国における少子化―教育との関係に注目して」の内容が、学会の雑誌『家族社会学研究』に特集として掲載されることになった。その論文を執筆する。 さらに、次年度に予定している台湾出張と国際セッションの準備を行う。
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