2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on "unstable masculinity"
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18H00937
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
伊藤 公雄 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (00159865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大束 貢生 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20351306)
山中 浩司 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40230510)
藤野 敦子 京都産業大学, 現代社会学部, 教授 (50387990)
多賀 太 関西大学, 文学部, 教授 (70284461)
大山 治彦 四国学院大学, 社会福祉学部, 教授 (70321239)
石井クンツ 昌子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70432036)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 男性性 / Caring Masculinity / ジェンダー政策 / 男性相談 |
Outline of Annual Research Achievements |
Caring Masculinity 概念を軸に、男性対象のジェンダー政策をめぐる文献資料収集と分析、アジアにおける男性の意識と生活実態をめぐるアンケート調査の実施、分析、アジア地域の調査研究、さらにスウェーデン、イタリアにおける海外調査の実施等により、調査研究は多くの成果をえつつある。 年2回の全体会議(5月、3月)において、全体の方向性の確認、各班の研究動向等の把握、調整を行うとともに、グループごとに「男性性」のゆらぎをめぐる現状とその対応の調査研究を行なった。 伊藤、多賀、石井は、笹川平和財団のプロジェクトと連携し、男性の意識と生活実態について、ネットによる全国調査およびアジア5都市(東京、台北、ソウル、香港、上海)調査に加わり、その分析作業に参加することで、アジア地域の男性をめぐる実態調査を進めた。また、同財団の支援により、伊藤がタイに、また多賀が香港、上海およびソウル市におけるインタビュー調査を実施した。 大山、大束、伊藤はスウェーデンにおけるLGBTおよび男性対象のジェンダー政策の実態調査(9月)を実施、伊藤は3月にイタリアにおけるDVや犯罪の男性加害者更生のプログラムの実態調査を行なった。山中、伊藤は、3月男性介護問題の公開シポンジウムを開催し、また、藤野は、ジェンダー視点にたった非正規労働者問題の調査分析作業を実施した。 日本学術会議ジェンダー政策分科会との連携によるジェンダー政策の国際比較研究の研究会、さらに、(一社)ホワイトリボンキャンペーンジャパンとの共同開催による「性的同意」をめぐる研究会の開催など、調査研究と社会との連携も進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
男性性をめぐる現状の把握と男性を対象にしたジェンダー政策の可能性を探るという研究目的にむかって、海外調査などを含めておおむね順調に進展している。また、笹川平和財団のプロジェクトとの連携により、アンケート調査も含めて、多くの進展がみられた。ただし、国内における男性相談の実態調査など、十分に達成できなかった課題も残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目にあたる2019年度においては、引き続き男性を対象にしたジェンダー政策の実態や男性のおかれた状況をめぐって、文献や資料の収集分析の作業を継続する。また、笹川平和財団との連携による日本を含めたアジア地域の男性の意識と生活実態の調査分析の作業を継続するとともに、アンケートおよびインタビューを通して国内における各自治体等の男性相談の実態調査を行う。また、ヨーロッパ地域における男性対象のジェンダー政策(特に、男性加害者問題やゲイ男性にかかわるもの)の実態調査研究を継続する。以上の研究の上で、成果をもとに、日本における男性対象のジェンダー政策の可能性について明らかにする。
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Research Products
(13 results)