2019 Fiscal Year Annual Research Report
訪問介護における医療的ケア及び医療との連携水準が与える利用者への影響
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18H00951
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
須加 美明 目白大学, 人間学部, 教授 (40271457)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 訪問介護員 / 訪問看護師 / 連携 / 連携での困難 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,訪問介護の利用者が訪問介護と訪問看護との連携を評価する尺度の開発を目的にしているので,2019年度は訪問看護からみた訪問介護との連携の状況を調査したデータを分析した. 東京都区内の全訪問看護ステーションを対象に質問紙調査を行い,有効回答は322件,回収率15%であった. 聞き取り調査をもとに作成した「訪問看護師が訪問介護員と連携するための行動」及び「連携する上で感じる困難」を表す項目について調査データをもとに探索的因子分析を行ったところ,連携行動を測る6因子と連携での困難を測る4因子の尺度が作られ,確認的因子分析の結果,それぞれの適合度も良好であった. 連携行動を測る尺度の第一因子は「危険の注意と情報収集」,第二因子は「褥瘡ケア」,第三因子は「状態変化の報告」,第四因子は,「処置や知識を教える」,第五因子は,「認知症の服薬管理」,第六因子は「排便コントロール」と名づけた. 連携行動及び連携での困難を従属変数,ソーシャルスキルなどを独立変数とした重回帰分析を行った結果,連携行動に影響する要因と連携での困難に影響する要因は異なった,また連携行動と連携での困難は互いに無相関であったことから,両者は逆の関係にある訳ではなく,連携での異なる状況を表していることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年1月(2018年度)に行った東京23区内の訪問看護師に対する調査によって、訪問介護員と訪問看護の連携したケアがどのような内容でどの程度行われているかを把握することができたので,2019年度に訪問介護の利用者調査と訪問介護員の調査を同時に行えるように科研費の前倒し申請を行った.訪問介護員調査は2019年12月に,利用者調査は2020年1月に行うことができ,2020年3月末に利用者データを入手できた.これからデータを分析し,当初の仮説が成り立つかを検証できるので,おおむね順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
訪問介護の利用者データを分析する.当初の仮説,訪問介護と訪問看護の連携がよいと感じる利用者は主観的健康感及び主観的幸福感が高くなるかを検証する.また訪問介護員データを分析し,訪問介護と訪問看護の連携を評価する尺度を開発し,それに関連する要因を検討する
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