2019 Fiscal Year Annual Research Report
社会参加支援による認知症の予防に向けた心理社会的経路の解明に関する研究
Project/Area Number |
18H00955
|
Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
竹田 徳則 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (60363769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 寛 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20387749)
加藤 清人 平成医療短期大学, リハビリテーション学科, 教授 (90741794)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 認知症予防 / 社会参加 / 通いの場 / 心理社会的要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症予防策の一つである通いの場への参加はさらなる社会参加の促進につながるかを,日本老年学的評価研究(JAGES)分析対象6,872名の2時点パネルデータ(2013-2016)を用い精査した.2013年時と2016年時の通いの場参加有無及び2013年時社会参加活動なしの者で2016年時にありを予測するオッズ比は,ボランティア活動では通いの場非参加群1.00に対して,同参加中止群1.12,同参加開始群3.22,同参加継続群6.14(以下,同様順),スポーツ1.85,3.77,3.53,趣味1.01,3.32,2.83,老人クラブ1.90,12.26,7.40,町内会2.28,7.74,3.46,学習2.59,4.05,3.72などで参加開始群と参加継続群で有意に高いことを確認した(いずれもp<0.001).また,2時点パネルデータ3,870名の分析の結果,うつ発症の確率は2時点継続通いの場参加者では,非参加者に比べてオッズ比で0.62と有意に低いことが確認できた. 認知症発症にも関連するフレイルについてJAGESデータ報告に基づく高齢者の改善要因として,男女に共通して抽出された有意な要因は,1日歩行時間30分以上,老研式活動能力指標の手段的自立5点満点,知的能動性4点満点,外出頻度ほぼ毎日,友人と会う頻度月1回以上の5要因であった.フレイルからの脱却には身体機能以外では,高次生活機能と外出や友人と会うなど社会参加活動が,認知症予防と共通して着目すべき要因と考えられた. JAGES2019年度調査として,本研究助成にて愛知県東海市(5,682名)と武豊町(9,183名)を対象に健康と暮らしの調査を実施し回収率はそれぞれ74.9%と71.0%であった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度計画の「健康とくらしの調査」実施が当初予定よりも3か月ほど遅れた.それに加えて,新型コロナウイルス感染拡大防止により各市町の通いの場の開催が中止され,参加者調査の実施が困難となり2020年度実施に変更せざるを得なくなった.また,予定していた2013年-2016年パネルデータ分析も地域類型別等の分析に至らなかった.
|
Strategy for Future Research Activity |
通いの場参加者調査の実施とデータ入力およびデータベースの構築を2020年度に行う.また,2019年度に未達であった2013年-2016年パネルデータ分析及び2013年-2016年-2019年パネルデータの社会参加に関する分析を実施する.
|
Research Products
(5 results)