2018 Fiscal Year Annual Research Report
Focusing on early prevention for supporting infants and parenting: policy implications from Finland and England
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18H00958
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
高橋 睦子 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 教授 (50320437)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 予防的支援 / 産前・乳幼児期 / フィンランド / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究活動は、文献研究と国内での国際セミナー開催を中心に取り組んだ。文献研究では、妊娠期から乳幼児期・子ども期にかけてのリスク早期予防についての理論と実践に関する学術論文のレビューを通じて、子育て家族支援における「予防」の意義とアプローチを把握した。予防的な子育て家族支援の核心は、母子の愛着形成とともに、親・養育者のカップル関係や親性準備性を視野に含めてのアプローチである。文献研究での主たる業績として、リスク予防に資する早期ダイアローグに関する訳書「あなたの心配ごとを話しましょう - 響きあう対話の世界へ」を刊行したほか、フィンランド国立タンペレ大学のE.パーヴィライネン教授(保健学)の協力を得て、BriefCAP(簡易版子どものマルトリートメント防止のためのアセスメント)を訳出した(2019年度中にウェブ上で公開予定)。2018年12月にはタンペレ大学からK.プーラ教授(児童精神科医)を招聘し、東京と大阪の2会場で「乳幼児の発達と親子コミュニケーション支援 - フィンランドの乳幼児精神保健とネウボラに学ぶ」と題して国際セミナー・講演会を福祉・保健・助産等の専門職を主な対象として実施した。子どものマルトリートメントや虐待のリスク予防では親・養育者への支援の在り方に主たる関心が寄せられる傾向が強いが、この国際セミナー・講演会によって、子ども(胎児や乳幼児を含む)の能動性と主体性を再確認できた。フィンランドについては、2018年8月と2019年2月に現地調査を実施でき、父親の親性準備性のサポートの実践、さらに、ネウボラ専門職の親子コミュニケーション支援技能の専門教育の実際を把握した。イギリスについては、2018年9月にIPSCAN国際会議(於プラハ)の期間中にセントラルランカシャー大学教授のN.スタンレー教授と研究協議を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究計画内容をほぼ実行できているので、おおむね順調な進展であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目以降も引き続き計画に沿って研究活動を行う。
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