2019 Fiscal Year Annual Research Report
人にやさしい心身満足衣生活支援のための未来型3次元衣服融合情報の予測システム開発
Project/Area Number |
18H00964
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 特任教授(教育担当) (60132437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 博之 大阪信愛学院短期大学, その他部局等, 教授 (00203448)
松井 知子 統計数理研究所, データ科学研究系, 教授 (10370090)
村上 かおり 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (80229955)
團野 哲也 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (80275437)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 3次元人体形状 / 3次元試着シミュレーション / 3次元動作による着心地 / 衣服デザインイメージ / 多量データ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.昨年度課題である3次元人体計測データの年齢的不足の中高年齢を中心に,データを収集した。これまでの3次元人体データと合わせて成人男女を総合して約2500名近くの,アパレル関係では貴重な多量のデータが構築できた。物理的データとして,サイズと3次元曲率,感性的データとして体形イメージ評価によるデータを収集し,多変量解析で体型分類を行った。体型分類されたグループ別に,各グループ平均モデルを仮想的に自動生成できるようにした。男女別々の各グループの3次元体形モデルを1次元波形データとして変換することで,精度の良い仮想平均モデルができることが可能であることを確認した。 2.生成可能な平均モデルに試着シミュレーションソフトで仮想的にサイズも変化させて着せることができるためのシステムを構築した。従来販売の試着シミュレーションソフトでは,PCに構築した保存された服を大型ディスプレイに移し服を試着しているように見せるモノである。この基本ソフトに本研究独自で,3次元人体計測した3次元人体を入力でき,且つ画像データとして保存した服を体形に対応して仮想できるソフトを特別に開発した。3.個人データを使用しないで,個人の体形に近い平均モデルを多数作ることでプライバシーを考慮し,同時にサイズの違うモデルに同じデザイン服を体形に合わせて仮想試着可能とした。体型別デザイン服のイメージ評価のビッグデータを収集するため,評価項目を検討している。現在,年代別の成人女子を対象にネットによるアンケートの準備をしている。 4.着心地の検討では,衣服下に装着してできる薄型高輝度LEDマーカーと電磁誘導方式の3次元位置計測プローブを用いて,皮膚面とその上方衣服面との動的関係を捉える実験衣を作成した。着装した実験の設定について,準備をしている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.計画のアパレル関係での3次元人体形状データとしては非常に多量のデータが構築できた。 2.多量の人体データを従来の1次元のサイズだけでなく,3次元人体体表曲面形状を捉えられる3つの曲率を用いて,詳細に且つ1次元の角度データで捉えた。1次元データ化することで,将来衣服設計用の2次元パターンでもそのまま使用可能な曲率のデータ化を行っている。同時に消費者が一般的には視覚的なイメージで捉えて,丸みがあるなどの言語での表現と3次元体形形状のイメージの評価の対応についても,3次元画像のビッグデータを評価して,感性的データも収集することで,物理的感性的なデータの融合化による体形の表現を実現した。このことは,他にあまり実現されていない研究成果であり,今後ネットなどでの服購入での個別対応販売と購入などで必須の情報のひとつとなるものと判断している。 3.プライバー考慮の仮想で且つ精度の良い3次元平均モデルを仮想生成できるようにしつつあること,さらに試着シミュレーションの従来の利用ではなく仮想平均モデルを組み込みそのモデルに多量の,本研究では100種類デザイン服で5サイズの平均モデルに着装,合計500着の服を準備できたことも,本研究独自のシステム開発をした成果である。 4.500着のデザイン服での3次元平均モデルによるネットを利用した,デザインイメージ別の体形への評価の検討ができつつあり,おおむね研究として進展しているものと判断する。ただし,アンケートの年代別で均等化し,多量のデザイン服を評価依頼できるための準備が依頼も含めて難しい。また,着心地に関する実験の服は準備しているが,依頼できる高齢のモデルなどの依頼などを進めているところで本年度はとどまった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究を,以下の予定で進める。 1.多量のデザイン服での年代別評価については,個別に対応することは難しいため,アンケート調査を利用することを計画している。ネット上での5種類の体形の3次元平均モデルに100種類のデザイン服,合計500着の3次元表示を見ながら同じ人による評価は無理なため,予定としては1種類のデザイン服を5タイプの次元平均モデルに同時に着装させた画像を用いて,体型別デザイン服のイメージ評価として,効率よく結果が得られる方法を考えつつある。その場合も実際の評価者は250人×5デザインが100セットで,研究を進める。 さらに分析方法として機械学習などからのデザインと体形との関係による分析方法も模索している。とくにデザイン服のかたち・色・柄,シルエットなど評価項目についても多方向から検討する計画である。 2.3次元人体形状のデータについても,独自にサイズ・曲率・イメージ評価での関係を機械学習と多変量解析などを合わせて,平均モデルの体形が予測することなどについても検討を始めている。予備として進めている方法は,大枠的体形の大中小のサイズと,各サイズの分類された中での詳細な曲面形状などの要因を組み入れて,予測できるようなシステムを構想している。 全体として,体形とデザイン服の評価に関するデータを,まずはそれぞれで分析を進めて,その結果をもとに,研究方法を模索するための分析ソフトを作成する段階までを考えている。
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