2018 Fiscal Year Annual Research Report
家政学的知見に基づいた生活支援教材の開発-ブータンでの協働を事例として-
Project/Area Number |
18H00969
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
高増 雅子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20120769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 晴子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (50299905)
佐々井 啓 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60017241)
飯田 文子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (60160826)
望月 一枝 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (60431615)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ブータン / 女性支援 / 教材 / ヒヤリング調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラオスでの研究蓄積およびブータンへの予備訪問調査を踏まえて、2018年10月19日~10月25日にブータンに渡航し、現地調査を実施した。 ブータンへの現地調査の前に、2018年9月25日にJICA東京を訪問し、ブータンに駐在していた専門員にブータンでのJICAの活動について、ヒアリング調査を行った。ブータンの都市部と農村部の生活実態を調査するため、首都ティンプー及び農村部・山間部はパロ、ハ等を候補地とし、事前のJICAでのヒアリング調査と調整等から、2018年度はティンプーを中心に、ブータン政府機関である保健省公衆保健局及び国立伝統織物博物館、NCWC事務所等、女性支援関係諸団体とコンタクトをとり、ヒヤリング調査を行った。JICAより紹介されたバスステーションで女性支援団体の講習を受け売店を経営する女性へのインタビュー調査や、有機野菜を栽培して道の駅に出している女性にインタビュー調査を行った。ブータンの女性の自立に関わる組織や家族関係等の実態をヒアリング調査を基に分析中である。また、ティンプー市内飲食店・サブジマーケット(センチュリーマーケット)王制100周年記念市場、中規模スーパーマーケットを見学し、そこで購買中の若者の行動調査を行った。 一方、ティンプー・カサペのチョキアートスクール(伝統美術学校)を訪問し、栄養に関する講演を、公立ジムミロセル小学校(プライマリースクール)では、5年生教室で栄養に関する模擬授業を行い、今後の教材支援に向けての情報収集を行った。 パロにあるブータン王立大学教育学部を訪問、生活習慣病予防教室担当ピグエン氏から、ブータンの大学における栄養・健康教育についてインタビュー調査を実施し、ブータン王立大学との今後の研究に関する協定について話し合いを行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目的であるブータンの都市部の生活の実態を把握し、同国におけるニーズ分析とともに生活課題と女性や子どもの自立に向けた改善方法をある程度析出することはできたと評価する。一方、都市部での状況に適応できるような女性や子どもの生活の質の向上につながる方策を検討することができた。 また、日本女子大学における国際貢献活動・研究の一環として、成果を2019年度アジア地区家政学会等を通じて、国内だけでなく広く世界に発信する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度にえられた情報および資料、訪問・ヒアリング調査の結果から、2019年度も追加調査等をおこない、ブータンにおける女性や子どものニーズ分析を行う。 女性や若者の生活向上や収入を得るための技術や知識の伝達等の教育の場である職業訓練所等の位置づけを、ジェンダー視点から検討する。 ブータンにおける食環境及び民族衣装が規定されている衣生活の問題点や、NPO、NGOによる女性支援を視野に入れた分析を行う。また、不足情報の収集と追加調査を現地調査で行う。そこから、ブータンの生活課題と女性の自立に向けた改善方法を析出する。 本テーマに関するシンポジウム・講演会を2019年10月に、ブータンよりカサペのチョキアートスクールの校長及び校長の夫ソナム氏を招へいし、開催する予定である。 また、アジア地区家政学会(2019年8月杭州で開催予定)に成果を発表し、関連領域の専門家との意見交換を行う予定である。
|