2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Sanitation Project Co-created by Children, Community and Researchers
Project/Area Number |
18H00992
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋島 孝子 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (30447049)
伊藤 竜生 北海道大学, 工学研究院, 助教 (70374577)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子ども / 地域社会 / サニテーション / 参加型アクション・リサーチ / 都市スラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(2年目)は、以下の3点を実施した。 1.衛生とサニテーションに関するプログラムの実施(ザンビア):既存のトレーニングプログラム「Child Hygiene and Sanitation Training (CHAST)」をベースに、カウンターパートの研究者、小学校の教師、地元団体のメンバーと協議して現地の文化習慣、規範に合わせてアレンジしたプログラムを実施した。現地の映像作家の協力を得て、子どもたちの活動を映像(写真および動画)で記録した。 2.現地小学生の成長・栄養、衛生・健康状態の評価(インドネシア):都市スラムの小学校において、身体計測(身長、体重)を行い、WHOおよびインドネシアの成長リファレンスを用いて、栄養状態を評価した。下痢の罹患について質問紙調査を実施した。子どもと保護者(母親)に衛生とトイレに関する知識・態度・実践(Knowledge, Attitude, Practice, KAP)質問紙調査を行った。小学生にいつも行っている手洗いをデモンストレーションしてもらい、チェックリストと時間計測によって手洗い技術を評価した。 3.参加型アクション・リサーチの発表会とイベント開催(ザンビア):首都ルサカのスラム地区において、小学生と若者団体(Youth Group)が実施したアクション・リサーチの成果を発表する展示会を開催した。またルサカ市、市長と協働してイベント(サニテーション・フェスティバル)を開催した。ブラスバンドを従え、市長と子どもクラブメンバーそして日本人研究者が道路を行進した。マーケットでゴミ拾いのデモンストレーションを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4-7月に先行研究のレビューを集中して行い、参加型アクション・リサーチの方法論について、科研費プロジェクトメンバーおよび海外カウンターパートと協議・検討を行った。6月に国際学会(ZAWAFE2019)で招待講演を行い(Keynote Speech)、口頭発表セッション、ブース展示を行った。また、7月に国際学会でポスター発表を行った。 8-9月(1-2月)にはザンビア(ルサカ市)、インドネシア(バンドン市)で調査およびイベントを開催した。 10-12月(3月):ザンビアでは、アクション・リサーチの次のステップに向けて、子どもクラブとミーティングを開催した。インドネシアでは首都ジャカルタで開催された国際学会(Green Value Chain2019)で口頭発表を行った。 ザンビアにおいては当初の計画以上の進展が見られたが、インドネシアでは相対的に進展が遅れている。以上より、「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(3年目)は、以下の3点を実施する。 1.参加型アクション・リサーチの試行(インドネシア):都市スラムに居住する小中学生を対象に「サニテーションキャンプ(仮称)」と称する参加型アクション・リサーチを試行する。具体的内容については、現地のカウンターパートと協議する。 2.子どもクラブの活動の発信(ザンビア):首都ルサカにおいて、小学生と若者団体(Youth Group)の有志で設立した「子どもクラブ」によって、2019年度に実施したアクション・リサーチ(PhotoVoice)や市場の清掃活動などをインターネットによって世界に発信する準備を行う。具体的には、子どもたちのSNSのリテラシーを高めるため、民間企業から講師を招いてワークショップを行い、グループワークを行い、実際にSNS発信のための計画書を作成する。 3.参加型アクション・リサーチの実施(ザンビア):「子どもクラブ」によって、昨年度実施した参加型アクション・リサーチを踏まえて、地域住民(大人)を対象としたアクション・リサーチの施行を行う。具体的には、生活環境(家の壁、床、トイレなど)や自分の手のひらの大腸菌汚染を測定できる、簡易キットを開発して、生活環境および自分の手の大腸菌汚染を実際に可視化してみる。それを踏まえて参加者で生活環境汚染について議論する。
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Research Products
(16 results)