2020 Fiscal Year Annual Research Report
A Sanitation Project Co-created by Children, Community and Researchers
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18H00992
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山内 太郎 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (70345049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍋島 孝子 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (30447049)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子ども / 地域社会 / サニテーション / 参加型アクション・リサーチ / 都市スラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(3年目)は、以下の3点を実施した。 1.感染症パンデミック下における調査研究と成果発信:2020年度(3年目)は新型コロナウィルス感染拡大のため、海外でのフィールド調査や国際学会の開催、参加がままならなかったが、ザンビア、インドネシアの都市スラムにおいてオンラインを活用した海外共同研究者との研究打ち合わせとリモート調査研究、ならびに成果発信に取り組んだ。海外フィールドと日本を結んだオンラインによるウェビナーを14回開催した。日本アフリカ学会第57回学術大会において、フォーラムを企画、実施した。一般書籍「ザンビアを知るための55章」の章とコラムを執筆した。 2.ザンビア都市スラムにおける子どもクラブの活動:ザンビアにおいては、これまで現地フィールドで実施してきた参加型アクション・リサーチについて国内学会や国際会議において成果発信を行うとともに、トイレの屋根の有無、ゴミ捨て場からの距離、台所周りの糞便汚染についての糞便暴露経路の解析を進めた。 3.女性のサニテーション研究会、国際シンポジウムの開催(共催):女性の月経と月経処理の諸問題について研究発表を行った。インドネシアにおけるカウンターパートであるLIPI(インドネシア科学院)と国際シンポジウム(オンライン開催)を共催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 2020年度(3年目)は新型コロナウィルス感染拡大のため、海外でのフィールド調査や国際学会の開催、参加がままならなかった。これらの時間を利用して、成果発信、論文および書籍の執筆、海外共同研究者とのオンラインミーティング(ウェビナー)の定期的開催、オンラインによる研究会(女性のサニテーション研究会、日本アフリカ学会学術大会でフォーラムを企画、実施)を行った。特筆すべきは、インドネシアのカウンターパートであるLIPI(インドネシア科学院)と国際シンポジウム(オンライン開催)を共催したことである。 2020年度は成果発信に尽力したものの、研究のまとめを行う最終年度(2021年度)の前年であることを鑑みると海外フィールド調査に集中できる最後の機会であった。成果発信やオンラインによる海外カウンターパートとのコミュニケーションに努めたが、「やや遅れている」と判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度(4年目)は、以下の3点を実施する。 1.参加型アクション・リサーチの試行(インドネシア、ザンビア):都市スラムに居住する小中学生を対象に「サニテーションキャンプ(仮称)」と称する参加型アクション・リサーチを試行する。時差の問題があるが、可能であれば、インドネシアー日本ーザンビアの3カ国をインターネットで繋いで子どもたちの交流を行う。 2.子どもクラブの活動の発信と世代交代の仕組みづくり(ザンビア):首都ルサカにおいて、小学生と若者団体(Youth Group)の有志で設立した「子どもクラブ」によって、2019年度、2020年度(感染症拡大のため、小規模)に実施したアクション・リサーチをインターネットを用いて世界に発信する。そのために、ルサカ在住の民間企業から講師を招き、子どもクラブで実践的なワークショップを行う。また、科研費プロジェクトの終了後を見据えて、子どもクラブが自走できる世代交代の仕組みを構築する。 3.現地のカウンターパートの活動に役立たせる資料(Picture Book)の制作(インドネシア、ザンビア):インドネシア、バンドン市の都市スラム地区において、長年にわたり現地カウンターパート(インドネシア科学院)と共同研究を行ってきた。また、ザンビアの首都ルサカ市の都市スラムにおいては、現地で小学生と若者(青年団員)からなる子どもクラブを創設し、地域のWASH(水、トイレ、衛生)に関する参加型アクション・リサーチを実施してきた。最終年度となる2021年度は、これらの活動について、現地カウンターパートや子どもクラブに資する印刷媒体(Picture Boook:写真やイラストを中心に掲載し、それらに現地語と英語で簡単な説明を付けた写真集)を協働して制作する。
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Research Products
(34 results)