2019 Fiscal Year Annual Research Report
家庭環境における自閉症母子相互作用の促進プログラムの開発
Project/Area Number |
18H00996
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
作田 亮一 獨協医科大学, 医学部, 教授 (40254974)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 保護者支援 / 自閉症スペクトラム障害 / 遠隔支援 / 行動視察アプリケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】包括的支援プログラムにより、①保護者の育児不安・ストレス・抑うつ傾向が低下し、QOLが向上するか、②子どもの全般的な発達、言語発達は向上し、自閉症重症度、行動問題は低下するか、③家庭での母子相互作用場面において母子間相互作用の回数は増えるか、母子共に笑顔の頻度・アイコンタクトが増えるか明らかにする。 【2年目の研究実績】 ①第1期研究参加母子を対象とした遠隔支援の実施:4カ月間、当初予定していた間隔(2週間に1回)より高密度(1週間に1回)に、テレビ会議システムWherebyを介した遠隔支援を実施した。また、月に1回、対面による面談も追加して実施した。「発声・発話への随伴模倣」「問題行動への対処」「注意を引いてからの指示」などの項目に対するフィードバックにより、参加児の発声・発話の頻度増加が認められた。また、保護者に対する楽観的思考訓練の継続的実施により、育児不安・ストレスの低減が示唆された。以上により、本研究で期待されている包括的支援の効果が示されつつあると考えられる。②第1期事後検査の実施:事前検査と同様の項目について、支援効果の検証を目的とした標準化検査を実施した。③第2期研究参加母子の募集:自閉症スペクトラム障害のある未就学児約10名と家族を募集した。④支援者育成の実施:実証拠点において、臨床心理士・言語聴覚士を対象とし、O J Tを中心とする支援者育成を実施した。⑤社会的視覚注意評価プログラムの開発:介入前後で児の社会的注意の変化を評価するための、アイトラッカー上の実験プログラムの開発を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第1期研究参加母子への介入密度を、計画当初に比べて高めた為、第2期研究の開始に遅れが出た。第2期では、介入密度を低めることにより、より多くのASD母子を対象とすることを目指す。また、2020年2月以降、コロナ感染症の影響で渡米して研究の打ち合わせ、また関係者のミニシンポジウムの開催が延期された。2020年度に開始する第2クールの患者リクルートは完了したが、合同説明会等が3密回避のために予定できず、今後のコロナ感染症に対する国の対応を見極めて研究を進める必要が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
第3年度として以下の研究を推進する。 ①第2期事前検査の実施:育児ストレスはPSI育児ストレスインデックス、抑うつはベック抑うつ尺度(BDI-II)、Quality of LifeはWHO QOL26、精神保健は日本語版GHQ28を用いて評価する。また、AQ(日本語版スペクトラム指数)質問紙にも記入してもらい、保護者の自閉症傾向を測定する。アメリカ精神医学会発行のDSM-5(APA, 2013)を用いてASDの診断をすると共に、半構造化面接である広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺(PARS)及び行動観察評定である小児自閉症評定尺度(CARS)を用い、自閉症重症度を算出する。全般的な発達は新版K式発達検査2001により評価する。また行動問題は子どもの行動チェックリスト(CBCL)、言語発達は日本語版マッカーサー乳幼児言語発達質問紙(JCDI)・PVT-R絵画語い発達検査を組み合わせて評価する。②第2期支援研究の開始:第1期目の支援プログラム効果を基に、第2期支援研究を実施する。第1期よりも低密度な介入として、2カ月間、週に1回(合計8回)のワークショップの効果を検討する。ワークショップはオンライン会議システムを導入し遠隔で行う。ワークショップ開催期間中に家庭における母子相互関係の観察記録する。③第2期事後検査の実施:事前検査と同様の検査を実施することにより、支援プログラムの効果を検証する。④支援マニュアルの作成及び啓蒙リーフレットの作成:支援研究の成果を基に、支援マニュアルを完成させる。また、小児科医を対象とした、自閉スペクトラム症及び親子相互作用の支援に関する、啓蒙リーフレットを作成・配布する。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] The neural mechanisms underlying impaired recognition of angry expression in ADHD children measured by near-infrared spectroscopy.2019
Author(s)
Kobayashi M, Nagashima M, Tokuda T, Ikeda T, Monden Y, Kanazawa S, Yamaguchi M K, Sakuta R, Yamagata T, Dan I
Organizer
Vision Sciences Society 19th Annual Meeting, Florida, USA
Int'l Joint Research
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[Presentation] Identifying cortical area for processing of emotional facial expressions in ADHD children measured by near-infrared spectroscopy.2019
Author(s)
Kobayashi M, Nagashima M, Tokuda T, Ikeda T, Monden Y, Kanazawa S, Yamaguchi M K, Sakuta R, Yamagata T, Dan I
Organizer
15th Asia-Pacific Conference on Vision. Osaka, Japan
Int'l Joint Research
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