2019 Fiscal Year Annual Research Report
複合的なデータ・統計手法の利用に基づく高等教育の経済・社会的効果の計測と検討
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18H01027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島 一則 東北大学, 教育学研究科, 教授 (70342607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小方 直幸 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (20314776)
福田 亘孝 東北大学, 教育学研究科, 教授 (40415831)
西村 君平 東北大学, 理学研究科, 特任講師 (50757466)
原田 健太郎 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 講師 (60634441)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大学 / 大学院 / 教育 / 経済的効果 / 社会的効果 / 収益率 / 賃金関数 / 教育投資 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、異なる3種類のデータに異なる3種類の統計手法を対応させ、3つの課題に取り組んでいる。 課題Ⅰでは、PIAAC(国際成人力調査)データを用いてパス解析を利用し、教育の社会的効果の一つである(信頼)を従属変数として、教育との間の関係性を明らかにした。なお、生得的能力に準ずる変数として読解力等を利用し、生得的能力をコントロールしたうえでも大学・大学院を含む教育は信頼に影響を与えることについて明らかにした。 課題Ⅱでは、社会人調査の設計と実査を行った。具体的には20才~60才の成人男女を対象として5000名(男性2500・女性2500名)への調査を行った。その後データのクリーニング・コーディングなどを経たうえで、実施した基礎分析に基づけば、本調査の主要独立変数となる学歴・教育年数に関しては、47.9%が大卒者であり、学校教育年数の最頻値も16年となっており、大卒程度なっている(なお次いで多いのは高卒程度の12年となっている)ことが確認された。また本分析の主要な従属変数である、教育の経済的効果に関わる年間収入(税込み)については、300~399万円が最頻値(11.0%)となっている(一方で、収入なし(専業主夫・主婦含む)が14.5%となっている)ことが明らかになった。この他に教育の社会的効果の指標の一つとして挙げられる健康状態については、「どちらかといえば良い」「良い」「非常に良い」を合わせると56.3%となっていることも明らかになった。この他に、同じく主要な社会的効果の指標の一つとして挙げられる幸福度を10段階で聞いた質問においては、8以上とする比率が37.4%となっているなども明らかになった。 課題Ⅲとして、本科研で実施する一卵性双生児データ(WEB調査会社)による500~1000人規模調査)の調査設計を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本科研における主要課題Ⅰ~Ⅲに関して、いずれも順調に進んでいると判断できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
上述したように本研究はおおむね研究計画通り進んでおり、引き続き着実に実施していくこととする。
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Research Products
(2 results)