2018 Fiscal Year Annual Research Report
Disaster prevention and safety education for fostering the ability to livei n inclusive society
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18H01035
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
石澤 公明 宮城教育大学, その他部局等, 名誉教授 (10125495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水谷 好成 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (40183959)
小田 隆史 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 准教授 (60628551)
鵜川 義弘 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 教授 (20232803)
齊藤 千映美 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 教授 (20312689)
小野寺 泰子 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (90586752)
福井 恵子 宮城教育大学, 教員キャリア研究機構, 助手 (00238453)
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80282151)
竹森 徹士 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (90282087)
根本 アリソン 宮城教育大学, 教育学部, 特任准教授 (40634366)
村上 由則 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (90261643)
黒川 修行 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (30431505)
安東 茂樹 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (40273817)
相澤 雅文 京都教育大学, 教育創生リージョナルセンター機構, 教授 (10515092)
田口 浩継 熊本大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50274676)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 防災教育 / 安全教育 / 生きる力 / 特別支援教育 / インクルーシブ |
Outline of Annual Research Achievements |
宮城教育大学附属特別支援学校の児童生徒の知的障害に合わせて,①危険から安全に避難する,②生き延びる,③生き抜くという3観点から総合的な防災安全教育の具体的な実施方法を提案・検証するための実践を行った。 [1]学校の年間における安全防災能力の変動に応じた防災教育として,新しい児童生徒が加わり担当教職員が変わる学校全体の安全防災体制の脆弱な新年度には,避難経路および児童生徒の避難時の特性を把握する基礎的な避難訓練を行い,保護者と協力する引き渡し訓練,実施時期を知らせないミステリー訓練を段階的に行う防災教育計画を実施した。児童生徒にわかりやすい訓練とするために,引き渡し時に土足で体育館に入るための消毒マットの導入,傷病者を想定した車椅子を使った避難の組み入れ,学校内の各所に防災グッズを入れた防災スツールを配備した。[2]避難後の生活能力を高める学習として非常食作り学習を実施した。知的障害児童生徒の理解度に合わせて,一分パスタ・ポリ袋ご飯作りの作成手順を簡単化する工夫をした。避難所を想定して小学部と高等部が協力して,児童生徒各自ができることを協力して行う合同学習を実施した。これらの非常食作りで用いる食材である米・パスタを給食室でローリングストックで備蓄する防災体制を実現した。防災時にも使用可能な防災ピザ窯を制作し,小学部の児童をお客として中学部がピザを提供する学習を実施した。これらの学習の結果として,知的障害のある児童生徒であっても自身の非常食を作ることができ,非常食作りを提供する協力ができれば,災害弱者ではなく,支援する側として協力できる可能性が出てくる。[3]特別支援学校で実践した防災安全教育は通常学校においてもわかりやすいユニバーサルデザイン的な防災安全教育として提案できる。実践成果を普及させるための方法として,Webで活用できるデジタル防災ブックを試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大学生を対象にして実践してきた防災教育を特別支援学校の児童生徒を対象にして実施することで,従来の防災教育の中のわかりにくさを明らかにするための多くのヒントが得られた。さらに,児童生徒の特性を理解している担当教員と共同することで,通常学校において,よりわかりやすいユニバーサルデザイン的な防災教育が提案できた。防災ピザ窯の制作により,防災教育につながる日常生活能力の向上に関する学習の提案ができる可能性が出てきた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)知的障害児童生徒が支援者側になる可能性を生むための生活力を高めるための学習の提案と実践的な検証を行う。(2)防災ピザ窯を活用した,学部を超えて児童生徒の各自ができることを協力して実施する共同学習を提案する。(3)作って食べる調理学習,日常で使える物を作る作業学習などを防災学習につながる日常的な学習の可能性について提案するともに,実践で検証を進める。(4)特別支援学校における実践で簡単化された学習メニューを通常学校で実践するユニバーサルデザイン的な防災学習メニューとしてまとめ,教員養成大学における学生のための防災教育として利用できるようにする。防災キャンプ研修・炊き出し研修を検討し,教員養成大学の学生を対象にした防災教育の提案をする。(5)防災教育担当者が変わっても,防災教育計画が継続的に実現できるようにするために活用できる防災学習資料を整備する。さらに,その成果をWeb上で提供するための防災電子ブック(Ver.1)を完成し,特別支援学校の担当者に評価をいただき,改良を進める。
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Research Products
(10 results)