2019 Fiscal Year Annual Research Report
Construction and evaluation of a direct and intuitive information access infrastructure for visually impaired student education
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18H01038
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大西 淳児 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30396238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 健 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (00349797)
坂尻 正次 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (70412963)
緒方 昭広 筑波大学, 人間系, 教授 (80516708)
三浦 貴大 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (80637075)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視覚障害 / 特別支援教育 / 情報保障 / 合理的配慮 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,最新の情報技術動向およびこれまでの研究成果で構築した教育支援システム開発成果を踏まえ,視覚障害者教育に必要な教育資料などの情報コンテンツをリアルタイムに取得および提示するための直接かつ直感的情報アクセス基盤の構築・評価を行うこととしている. 本年度は,1)図形情報の提示2)盲ろう者への情報呈示3)視覚障害者が自ら図形情報を提示する方法の三つの機能について,研究分担者で各機能の開発について責任を分担し,昨年度に作成したプロトタイプシステムをベースにして実教育環境での評価を行った. 課題1)については,教師と学生間の情報共有の機能実現方法を中心に評価を特別支援学校および筑波技術大学の学生の協力を得て行った.この課題では,NHK放送技術研究所との研究協力体制を通じて,筑波技術大学の天久保キャンパスおよび春日キャンパスにそれぞれ教員,学生を配置し,本研究で開発した遠隔図形提示システムを用いて,模擬授業による評価を行った.その結果,教員と学生の間で図形情報の共有がスムーズに行えたこと,また,ロボット型テレコミュニケーションシステムによって,より臨場感および学習の理由状況把握を高めることが可能であることがアンケート調査等により明らかになった. 課題2)については,盲ろう学生の協力を得ながら,授業環境における音声情報を伝えるために試作したプロトタイプシステムを活用して実際の授業での情報保障活動のなかで活用し,情報共有の厳密な評価を行った.授業における情報保障環境としては,学生からの評価は概ね良好であり,操作環境やシステム環境について,特に,点字表示する際の機能について細かい改善を行うことができた. 課題3)についは,VRによる仮想空間などの最新技術を取り入れた状況に置ける視覚障害者の情報獲得に関する特性を中心に評価を行い,その成果をCSUN2020にて報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度では,まず,昨年度に実施した物理的に遠方にいる視覚に障害のある学生に教育に必要な図形情報を理解させるのを支援する遠隔教育支援システムのネットワーク通信処理部の改良を踏まえて,その評価を中心に行った.特別支援学校および筑波技術大学の学生等の協力を得て評価を行った結果,教師と学生間で図形情報を共有できることを確認した.この評価においては,実際のモバイル回線を通じたインターネット接続環境において,触図を理解するための遠隔誘導に関連する各種機能を教師や学生が問題なく動作させることができることを確認し,同時に,教師から学生,学生から教師に対して指の動きを力覚制御で同期させることによって図形情報の共有が可能であることを明らかにした. 次に,盲ろう学生への情報支援システムについては,研究代表者が所属する学科で実際の教育ツールの一環として昨年に引き続き利用し,健聴者と同一のクラス環境で教育において評価を行った.実際に授業で活用した盲ろう学生の評価によると,概ね,授業内での音声会話の内容に追随しながら,授業内容を把握することができ,また,今年度では教師側に状況を把握するためのモニター機能を追加したことで,より双方向での情報共有に寄与することができた. 一方,コロナウィルスなどの影響を受けて評価計画を大幅に見直すことになり,その結果,当初の予定計画より遅れが生じているのが現状である.現在は,これまでに得られた評価結果を分析した上で本研究で開発したシステムに実装しているソフトウェアの機能の見直し改善の活動を継続中である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,最新の情報技術に常に追随しながら,より斬新な教育支援ツールの開発と評価を進めていく.特に,盲ろう者へのコミュニケーション支援においては,コロナウィルス対応による遠隔教育に適応させるための開発・評価を急務で進める.また,図形情報配信共有に関するシステム構築・評価については,引き続きNHK放送技術研究所との研究協力を通じ,実用システムにするための課題整理とその解決方法の開発・評価をスパライル式開発モデルにより進めていく予定である. 特に,音声・映像の会議システムをベースとする遠隔教育をしていく上で必要となる機能の洗い出し,分析を中心に進める予定である.
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Research Products
(7 results)