2020 Fiscal Year Annual Research Report
ディスレクシア児の読字における視覚言語情報処理の特性と発達に関する脳科学研究
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18H01042
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
杉本 明子 明星大学, 教育学部, 教授 (30311145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 弘司 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (00243527)
柴崎 光世 明星大学, 心理学部, 教授 (00325135)
密本 淳嗣 (細川淳嗣) 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 講師 (00420761)
梶梅 あい子 広島大学, 病院(医), 助教 (00448250)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ディスレクシア / 認知障害 / 視覚性障害 / 音韻性障害 / 認知神経心理学 / 脳機能学的基盤 / fNIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,日本語ディスレクシアの認知障害とその背後にある脳機能的基盤を明らかにすることを目的として,日本語を母語とするディスレクシアと健常者では,視覚情報処理および音韻情報処理の能力に違いがあるのか,それらは読み能力の発達とどのように関係しているのかを認知心理学的および脳機能学的に検討した。 具体的には,ディスレクシア児,健常児,ディスレクシア成人,健常成人を対象としてfNIRSを用いた実験を行い,(1) 視覚的情報の種類の違いによって,視覚的情報処理の正確さ,速度,および,視覚的情報処理過程において活性化される脳の部位が異なるのか,(2) 音韻情報の認知課題において,情報処理の正確さ,速度,および,活性化される脳の部位が異なるのか,(3) 視覚情報処理および音韻情報処理の能力の違いは読み能力の発達とどのように関係しているのかを行動データおよび脳画像データの解析結果に基づいて検討した。 行動データ解析の結果,日本語ディスレクシアには,アルファベット言語のディスレクシアと同様,音韻障害と視覚注意範囲障害があることが示唆された。また,fNIRSデータ解析の結果,日本語ディスレクシアの視覚注意範囲障害は視覚野,左ブローカ領域,左背外側前頭前野,体性連合野の活動低下と関連していること,既知の「ひらがな」「漢字」の認識では左半球のdorsal streamの活動量が,初見の「記号」では右半球の同じ経路の活動量が低下していることが示された。音韻障害は,主に左側頭・頭頂接合部が関連していることが示唆された。 本研究において,欧米ディスレクシアとの共通性と日本語ディスレクシアの特異性を明らかにすることができたことは,異なる書記体系のディスレクシアの普遍性と特異性を解明する第一歩として意義があると考えられる。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)