2018 Fiscal Year Annual Research Report
Information accessibility for hearing and(or) visually handicapped people at an aquarium and museums.
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18H01046
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
生田目 美紀 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (20320624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 伸子 筑波技術大学, 産業技術学部, 教授 (90279555)
若月 大輔 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (50361887)
小林 真 筑波技術大学, 保健科学部, 准教授 (60291853)
宮城 愛美 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (60447258)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 情報アクセシビリティ / 博物館 / 美術館 / 展示解説 / 学習プログラム / 聴覚障害 / 視覚障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は以下の事項に取り組んだ。 (1)博物館等での現状調査:国立科学博物館、ミュージアムパーク茨城自然博物館、茨城県近代美術館・アクアワールド茨城県大洗水族館を訪問し、展示や学習プログラムのアクセシビリティについて現地調査を実施した。その後、関係者へのインタビューを元に、各施設において取り組むべき情報アクセシビリティ改善のための優先課題の選定を行なった。 (2)課題解決方法の提案と実行:視覚障害者の情報アクセシビリティ改善のために、ミュージアムパーク茨城自然博物館が主催しているハートフルミュージアムの点字改修、アクアワールド茨城県大洗水族館における「ペンギン学習プログラム」の開発を手掛けた。聴覚障害の情報アクセシビリティ改善のためには、アクアワールド茨城県大洗水族館における、展示生物やエリアの解説が聞ける端末サービスを見直し、新たにQRコードシステムで文字と手話による解説を提供するコンテンツを制作した。茨城県近代美術館では音声認識技術を使った音声解説のリアルタイム文字化を試行した。 (3)博物館等での実証実験:提案・実行した解決方法について、水族館では手話解説コンテンツの実証実験、美術館では音声解説のリアルタイム文字化の実証実験を行い、有効性の確認を行うとともに、さらなる課題の整理を行なった。これらの実証実験の様子は新聞にも取り上げられた。 (4)研究成果発表等: 視覚障害を対象とした「海の生き物の学習プログラム」の開発については、国内研究会で発表を行った。水族館での手話コンテンツの有効性に関する論文は、国際学会に投稿中である。その他、継続して取り組んでいた、聴覚障害者を対象とした生き物の鳴き声の学習システムについては、本科研にてブラッシュアップを行い、ジャーナル掲載を果たした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の準備段階である初年度は,各施設を訪問し、現状調査や関係者へのヒアリングを確実に実施することができた。その結果、各施設の優先的課題を決定できた。さらに、合理的配慮を行う際に活用できる技術ならびに学習プログラムを踏まえた、課題解決方法の提案を行い、実証実験まで実施できたことも大きな成果である。また、今年度、実験に至らなかった他の博物館等とも課題解決方法の議論は進行中である。新たな実証実験の日程調整を開始した施設もある。年度末開催される博物館系国際学会ICOM-Kyoto、ヒューマンインタフェース系の国際学会 HCIIなどに論文を投稿しており,現在その審査結果を待っている状態である。 その他、研究環境の整備として、視線計測データの解析ソフトを導入した。今後は筑波技術大学にて視線計測実験の分析が行えるようになる。 以上より,おおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,現在、合理的配慮を行う際に活用できる技術ならびに学習プログラムにつながる、課題解決方法の具体案について協議を進めている、国立科学博物館、大洗水族館(対面レクチャー)等での実証実験を行い、情報アクセシビリティ改善の事例を増やし、ガイドライン策定へとつなげる予定である。また、「ペンギン学習プログラム」を聴覚障害者に向けても開発し、聴覚障害者と視覚障害者の双方に対応できる学習プログラムのあり方や、合理的配慮を行う際に活用できる技術ならびに学習プログラムについて、引き続き、検討を行う。 今年度実行した実証実験の結果については、国内外での学会で発表を行い、より専門的な情報交換を行う。
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Research Products
(5 results)