2018 Fiscal Year Annual Research Report
多様な経験学習を包括する育成モデルと経験学習内的プロセス支援手法の構成
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18H01050
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 孝治 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (60583672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲林 清 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20462765)
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80212786)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経験学習 / 自己調整学習 / メタ認知 / 新入社員OJT / PBL |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究の基盤となる申請者の先行研究の成果を引き継ぎ、新入社員OJT研修に用いられた経験学習に即した週報を経験学習内的プロセス支援の観点の質的データ分析(SCATによる分析)を行った。分析から、経験学習に即した週報によって、実習員の経験学習が転回していたことを明らかにした。この結果は、経験学習に即した週報が、経験学習育成モデルの内的プロセス実践に使用するELレポートに援用可能であることを示すものである。さらに、分析の結果から、指導員が実習員の学習目標の拡張を意識していたことを明らかにした。これらの結果については国内研究会で口頭発表を行った。 さらに、本研究が提案する育成モデル/支援手法の適応先の一つになる学内PBLにおいて、経験学習に即したフォーマットによる振り返りを課した(延べ約400名)。申請者自らが振り返りを支援するためのコメントを提供し、経験学習内的プロセスの困難点、その困難を乗り越えるためのアドバイスを収集するなかで、分析・評価モデルの初期構想を思考した。学習者が学内PBLにおいてどのような経験学習を転回したのかについては、国内研究会で口頭発表を行い、論文にまとめているところである。育成モデルに組み込まれる、経験学習内的プロセスの困難点およびアドバイスの事例についての体系化、分析・評価モデルの初期構成は、次年度に発表予定である。 また、経験学習内的プロセスを俯瞰するためのメタ認知能力やプロセスを転回するための自己調整学習能力といった、経験学習内的プロセスを効果的に循環させるための学習能力についての支援方法を検討した。これらの成果の一部は、国内外の大会・研究会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が提案する育成モデル/支援手法の適応先の一つになる、新入社員OJTおよび学内PBLにおける経験の内省・概念化の支援実践により、経験学習に即したフォーマットを有するELレポート初期版の有効性が示された。また、ELレポート初期版に対する転回支援コメントの作成を通して、分析・評価モデルの構想を検討することができた。これらは、次年度の支援フレームワーク初期版の構成、支援システム世基盤の開発に展開することができることから、本事業は概ね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究が提案する育成モデル/支援手法の適応先の一つになる学内PBLにおいて学習者に課した、経験学習に即したフォーマットによる振り返り(延べ約400名)から、育成モデルに組み込まれる、経験学習内的プロセスの困難点およびアドバイスの事例を体系化し、分析・評価モデルを構成する予定である。同時に、多文脈型長期インターンシップでの事例収集も実施し、試用実験の基盤とする。これらの成果については、国内外を問わず社会に発信していく予定である。
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Research Products
(7 results)