2018 Fiscal Year Annual Research Report
A Study for Designning and Building a Collaborative Learning and Lesson Support Environment and a ICT Skill Development Model for Improving the Quality of Remote Joint Lesson
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18H01053
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
鷹岡 亮 山口大学, 教育学部, 教授 (10293135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜川 正幸 山口大学, 教育学部, 教授 (80437615)
加藤 直樹 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30252117)
柏原 昭博 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (10243263)
長友 義彦 山口大学, 教育学部, 教授 (10760788)
藤上 真弓 山口大学, 教育学部, 講師 (40737566)
中田 充 山口大学, 教育学部, 教授 (60304466)
阿濱 茂樹 山口大学, 教育学部, 准教授 (00361973)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遠隔合同授業 / ICT活用力育成モデル / 遠隔合同授業支援環境 / 協働的思考プロセス / ICT活用省察ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小規模校・少人数学級の小学校と中学校における遠隔合同授業を対象にして、そこに在籍する児童生徒の学びの質を向上させるために、遠隔合同授業支援環境を活用した授業実践を通して学習効果及び授業支援効果を検証し、学習指導の形態や方法、学習評価の方法を整理して総合的な遠隔合同授業モデルを開発することである。 平成30年度は、以下の研究項目を遂行した。 (1) 遠隔合同授業支援環境を活用した小学校における授業実践と効果検証:遠隔合同授業支援環境を活用した小学校における授業実践を行った。これらの学習実践を通して、学習指導形態と方法について検討と改善を行った。(2) 遠隔合同授業を通して身に付ける力や態度の整理:遠隔合同授業実践への参観を通して、学習内容を広げる・深める力とコミュニケーション力(対話力)の観点から遠隔合同授業を通して身に付ける力を整理した。(3) 児童生徒の遠隔合同授業における段階的なICT活用力育成モデル構築のための整理:遠隔合同授業の実践データの分析を通して、遠隔合同授業において児童生徒がICTを効果的に活用した学びを主体的にデザインできるための段階的なICT活用力育成モデルを構築するためのICT活用力について整理を行った。(4) 児童生徒の思考活動や協働活動を支援する学習支援機能の検討:遠隔合同授業における児童生徒の重要な思考活動と協働活動を整理した。そして、その活動プロセスとそこで必要となる学習支援機能を検討した。これらの検討を踏まえて、「つながる授業アプリ」に「比べる」思考活動のガイド機能を付加し、授業実践を通して評価を行った。(5) 学習支援環境と連動した教師の授業支援環境の設計・開発:遠隔合同授業における教員の負荷を軽減して円滑に授業を進めるための授業支援環境を設計して、必要となる授業支援機能を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、遠隔合同授業を効果的に実践できるモデルの構築とそこで活用される遠隔合同授業支援環境の開発を行うことが目的である。 初年度(平成30年度)は、萩市立佐々並小学校・川上小学校のご協力・ご支援のもとで、遠隔合同授業を実践することができ、遠隔合同授業を実施する際の学習指導形態や方法についての知見を得ることができた。これらの遠隔合同授業の実践データを基にして、遠隔合同授業の先進地視察や研究会発表、関連論文も踏まえて遠隔合同授業を通して身に付ける力を大まかではあるが整理することができた。 また、遠隔合同授業支援環境に関しては、児童生徒の思考活動支援に関して、開発年度を早めて、「つながる授業アプリ」に「比べる」思考活動のガイド機能を付加し、その機能を活用した授業実践を行って頂けた。今後、協調的な思考活動のプロセス、そしてそのプロセスのガイドとフェイディングの手法について検討しなければならないが、初年度に思考活動のガイド機能についての課題を持つことができたのはプラスと捉えている。教師の授業支援環境については、授業支援機能の整理のみにとどまっており、この部分はやや遅れている状況にある。 さらに、段階的なICT活用力育成モデルの構築に関しては、ICT活用力の整理を行うことができ、モデル構築とICT活用力のポートフォリオ構築の足がかりとなった。 以上の進捗状況を踏まえ、遠隔合同授業の質向上のための学習・授業支援環境とICT活用力育成モデル開発の本研究は、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(令和元年)は、次の5つの研究項目を遂行する予定である。 (1) 遠隔合同授業支援環境を活用した小学校における効果的な遠隔合同授業の授業展開手法の整理と効果検証:遠隔合同授業支援環境を活用した小学校における授業実践を行って、遠隔合同授業における授業展開手法を整理する。また、遠隔合同授業の効果検証を行い、必要な力や態度、モデルカリキュラム、学習指導形態と方法、ICT活用力育成モデルを改善するとともに、協調的な思考活動支援モデル構築のための思考活動データを記録し整理する。(2) 遠隔合同授業を通して身に付ける力と態度, 評価観点の細分化:遠隔合同授業実践への参観とデータ分析を通して、これらの力と態度を細分化して、評価観点を整理する。(3)「学び」と「ICT活用」を軸にした省察の記述モデルの設計・開発:遠隔合同授業における「学び」と「ICT活用」を軸にした省察の記述モデルを検討する。そして、それらを記述できる省察ツールを設計し、遠隔合同授業支援環境の機能として実装する。(4)協調的な思考活動支援モデルの設計・開発:遠隔合同授業において思考活動(比較する,評価する)を遠隔にいる仲間学習者と協調的に実施するプロセスを整理する。そのプロセスを踏まえた協調的な思考活動支援機能を教師指導から児童生徒主体に段階的に切り替えられるインタフェイスを設計し実装する。(5)遠隔合同授業支援環境を活用した教員養成学部における授業実践プログラムの開発:教員養成学部における授業(「学習メディア活用演習」等)において、遠隔合同授業の必要性や有用性を理解し、遠隔合同授業の授業デザインをイメージできるための授業実践プログラムを設計し、教育効果について検証する。
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Research Products
(4 results)